いけばなは「元気の源」。支部の仲間との絆や家族の協力に感謝しつつ、なりたい自分に向かって、毎日が勉強の日々です。
人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。
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●始良郡湧水町に行き、竹似草を採取 |
出身は宮崎ですが、東京で主人と出会い、息子が2歳の時に鹿児島に来ました。その頃の私は体調不良気味だったのですが、いけばなに出合い、不思議と心も体も癒されていくのがわかりました。
小原流を習い始めたのは平成7年です。小学2年生の息子の成長する姿を見ながら、子どもと一緒に私も成長できないだろうかと考えたのです。現在小原流佐賀支部長を務める叔母のすすめもあり、鹿児島支部の鈴木査智子先生の教室へ通い始めました。子育て中はあまり熱心な生徒ではありませんでしたが、花を入れたバケツを運んでいるうちに筋力がついてきたのでしょう。いつもは動悸を心配してゆっくり歩く私が、花展会場では走り回れるようになっていました。平成17年、息子の大学進学でポッカリと空いた時間と心を埋めてくれたのも小原流の花でした。 鈴木査智子先生は、季節が変わるごとに「野外観察会」をしてくださいます。私はこの観察会が大好きなんです。まだまだ未熟な私にはより多くの作品を見たり、自然に感動することが何よりの勉強。先日は、始良郡湧水町に夕菅(ユウスゲ)を見に行き、竹似草を採取して、写景を生けました。鈴木先生のお宅の庭にも杜鵑草(ホトトギス)や睡蓮(スイレン)、 甘野老(アマドコロ)などたくさんの草花が咲いていますが、それをいただいて自宅の庭にも植え、花材にも使うようになりました。尊敬する鈴木先生に少し近づけた気がします。まだまだ花歴の浅い私ですが、身をもって「継続は力なり」を感じています。23歳の社会人になった息子も「お母さんが元気だからうれしいよ」と言ってくれます。10年先もいけばなを通じて成長できる自分でありたいですね。もちろん、快く私を応援してくれる主人にもとても感謝しています。 |
![]() ●「伝統文化こども教室」でのお稽古。男の子も真剣です。 ![]() ●子どもたちからの手紙は大切な宝物です。 ![]() ●10年前から続いているビーズ教室の仲間と。いけばなを教えることもあります。 ![]() ●自宅の教室で生徒さんと。ゆったりとした雰囲気を大切にしています。 |
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準幹部としては、鹿児島支部の研究会もお手伝いしています。昨年は青年部野外展の作品制作とともに、新年会や祝賀会のためにフラダンスも練習しました。今年は60周年記念花展もあり、家元とのコラボレーションでアルミワイヤーの造形作品『銀ちゃん』を作りましたが、家族より多くの時間を支部の仲間と過ごしたのではないでしょうか。花器や花の取り合わせの準備など大変でしたが、今でも写真をみるにつけ、その時の事を思い出します。裏方の仕事も多いのですが、皆さん明るく前向きな方ばかりで、学生の部活動みたいに一緒にいることを楽しんでいます。先日は2回目の打ち上げ食事会も行いました。職業や年齢もさまざまですが、気の合う仲間たちをこれからも増やして、鹿児島支部を引っ張っていければと思います。12月の「花の輪・人の輪 – みんなの花展」も今から楽しみです。 これから実現したいのは、自宅の教室を少しずつ大きくして社中展で作品を発表すること。そのためにも花器を作ったり集めたり・・・勉強も頑張ります。
いけばなは、知る喜び、自然や人との出会い、夢、生きがい、心の安定や体力、そして、なりたい自分に近づけてくれます。それほどいけばなはいろいろなことを私に与えてくれるのです。51歳になり更年期まっただ中にある私ですが、いけばなはまさに「元気の源」なのです。これからもますます元気に、いけばな生活を楽しんでいきたいと願っています。 |
![]() ●準幹部のフラダンス部。衣装もお似合いです。 ![]() ●家元作品とコラボレーションしたアルミワイヤー作品『銀ちゃん』。60周年記念花展で。 ![]() ●準幹部のお食事会で人文字の「OHARA」を表現。楽しい仲間たちです。 |
【坂元 由紀美さんに一問一答】
●好きな花 | 燕子花(凛とした感じが好きです) |
●好きな音楽アーティスト | いきものがかり |
●おすすめの音楽 | ありがとう(NHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』主題歌) |
●マイブーム | 小原豊雲先生の本です。昭和40年代に出版された本を集めています。おすすめは『花の心』。昭和48年出版ですが、全く古さを感じさせません。ぜひ、皆様に読んでいただきたい1冊です。
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