いけばなじん

File No. 130

清 幸江さん

清 幸江さん

静岡県/富士支部

青年部部長として仲間たちと創り上げた作品や絆
その思い出が今ではかけがえのない財産に

お花三昧の日々のなか結ばれたご縁を大切に
いけばなじんとしての道を歩む

子どもの頃からお花に魅力を感じ、お母さまのいけばなをずっと愛でていたという清さん。実際にお稽古を始めたのは社会人になってからですが、そこにもお母さまの後押しがありました。その後も師事する先生方のご指導とともに、ひたむきに向き合ってこられたお花への想いや仲間と取り組んだ青年部での活動、ご趣味についてなど、何事にも前向きな清さんにお話をお伺いしました。
富士支部 富士宮地区みんなの花展での作品(2016年)

仲良くなれた共通項は「青年部」
互いにのんびりしているのは温暖な気候のおかげ?

清水さんとは研修課程に参加した際に初めてお会いし、席が近かったことがきっかけで親しくお話しするようになりました。二人の共通点として、住んでいる場所が私は静岡、清水さんが愛媛で両県とも比較的温暖な地でもあるせいかお互い少しのんびりとしていて、また、その頃私が青年部長をしており、清水さんも過去に青年部長をされていたこともあって理解し合える点が多く、より親しくなれたのかもしれません。その後は、清水さんが私の住む静岡に2度ほど遊びに来てくださったり、折りにふれ、清水さんお見立てのとびきり美味しい愛媛みかんを送ってくださるなど、楽しくお付き合いさせていただいております。

いつも身近にあった、花を飾る暮らし
友達と始めたお稽古からいつしか一級家元教授に

小学生の頃、同級生が家から学校にお花を持ってくると、先生が花瓶に挿して教室に飾ってくれました。その様子がとても優しく感じられ素敵だなぁと思っていました。我が家でも玄関や床の間にはいつも季節の花がいけてありましたが、実際にお稽古を始めたのは社会人になってからです。母から「会社のお友達といけばなのお勉強をしてみない?」と言葉をかけられたのがきっかけでした。そこで、友人たちと我が家の一室でお稽古を始めました。

途中、結婚を機にいけばなの火が消えそうになりましたが、その際、母の師である斉藤いさを先生や市川久子先生に大変お世話になりました。そのご縁もあって、15年ほど前から小原流研究院相談役 関邦明先生にご指導いただいております。

そんな私のいけばな人生において最も思い出深い出来事といえば、一級家元教授の授与式に、小原流に導いてくれた母と、いつも応援してくれる姉を誘って出席したことでしょうか。帰りには盛花記念センターや神戸の街、京都にも立ち寄り、久しぶりに母娘での女子旅を楽しみました。

2014年の一級家元教授 許状授与式にてお母さま、お姉さまと共に(左が清さん)

作り上げる楽しさを知った青年部
陰で支えてくださった生花店のご夫妻にも感謝

日本平ホテル野外庭園で行われた静岡県6支部連合会青年部合同野外創作展にて(2009年 前列左から4番目が清さん)


小原流の思い出で頭に浮かぶものといえば青年部での活動です。 中でも青年部長を務めさせていただいた時期の2009年5月31日に、日本平ホテルの野外庭園で開催した静岡県6支部連合会青年部合同野外創作展は一番の思い出です。共通素材として「ペットボトル」を使用するということで、立案から半年間取り組みました。20名の青年部員はみんな子育てやお仕事に忙しい年齢層(妊婦さんも2名)でしたが、時間をやりくりして、ほぼ毎日のように作品作りに励みました。また、素材集めには富士支部の会員の方々が快く協力をしてくださり、その団結力と青年部に対する温かい励ましの気持ちがとてもありがたく、嬉しかったことを覚えています。出来あがった作品は高さ2mを超え、会場間の移動の際には会員の家族もお手伝いくださるいなど大がかりなものとなりました。

制作は普段から研究会や花展でお世話になっている遠藤生花店の作業場をお借りして行いました。遠藤さんご夫妻には何度も美味しい差し入れをいただき、そのたび「お礼は出世払いでいいよ!!」と熱いエールをくださったのがうれしかったです。残念なことに、一昨年、優しかった奥様が旅立ってしまわれ、とても淋しいです。

また、支部会員の皆さんに呼びかけ、作品制作と同時にエコキャップ運動(ペットボトルのキャップを集め、そのリサイクルで発生した利益を発展途上国の子どもたちにワクチン代として寄付するボランティア運動)も行いました。8,000個ほど集まり、10名の子どもたちにワクチンを贈ることができました。

日本平ホテル野外庭園で行われた静岡県6支部連合会青年部合同野外創作展にて(2009年)

他にも、カラーセラピー&パーソナルコーディネート講習会を皆で計画し実施しました。その様子は挿花2008年12月号の『From青年部』に掲載していただきました。青年部活動では、みんなで作品を創り上げる楽しさや充足感とともに絆も深まり、本当によい経験をさせていただいたと思っております。

父の教えのボランティア活動
年に一度のお花旅も楽しみのひとつ

ブライダルフラワーデザインショーでの清さん

「趣味はお稽古事です」というぐらい、小さな頃からさまざまな習い事をいたしました。小原流いけばなと同時に始めたフラワーデザインにも夢中になり、日本フラワーデザイナー協会の講師免許も取得しました。ブライダルフラワーデザインショーでは教室の仲間と作ったブーケとヘッドドレスを身につけ、ショーに出演しました。

「自分のことばかりやっていてはダメだよ」と、公務員を退いてからもたくさんのボランティアをしていた父の影響で、私も国際ソロプチミストでボランティア活動に携わってきました。周年式典の時には同じ会員である池坊の先生と協力し、会場の飾りつけを行ったこともあります。15作品ほどでしたが、花器選びから花材の取り合わせなど、流派は違ってもお花に対する熱い思いは同じで、よい交流が持てました。「いけばなでお役に立ててよかった!」と思えた楽しい出来事でした。

国際ソロプチミスト富士宮 認証20周年を祝う会にて(2007年 後列左が清さん)

現在は、10年ほど前から通って来てくださる生徒さんたちと年に1度、花をテーマにした旅行も楽しんでいます。また、親族の会社で華道部を立ち上げ、社長室などに作品を飾り喜んでもらっております。「今日のお稽古楽しかった」と言ってくださる生徒さんたちの素敵な笑顔に励まされ、とてもありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。また、支部や市華道連盟の役員もさせていただきお花三昧です。これからもお花によって結んでいただいたご縁を大切に、いけばなじんとして努力を重ねてまいりたいと思います。

富士支部創立45周年記念講習会にて遠藤生花店ご夫妻、関邦明先生、清社中の皆さんと共に
(2018年 後列左が清さん)
富士宮浅間大社秋例祭いけばな展(2019年)

【清 幸江さんに一問一答】

好きな花

紫陽花・胡蝶蘭・バラ。10年ほど前の母の日に贈ったお多福紫陽花(渦紫陽花)。実家の庭で大きくなりました。毎年きれいに咲いてくれてありがとう。

好きな作家と好きな作品

青木和子(刺繍作家)・辻井伸行(ピアニスト)

ご実家のお庭での清さんとお多福紫陽花

清幸江さんからご紹介いただいたから次回の「いけばなじん」は、太田富美子さん(静岡県・沼津支部)です。関邦明先生のお教室で15年ほど一緒にお勉強なさっている仲で、研修士の資格を持ち、昨年までは沼津支部の副支部長も務めていらっしゃいました。お教室ではいつも左隣の席からいろいろとアドバイスをくださり、お二人で美術展に出かけることもあるとか。優しくて尊敬できる先輩とのことです。どうぞご期待ください。