いけばなじん

File No. 126

上村 裕子さん

上村 裕子さん

兵庫県/神戸支部

日本が誇る伝統文化について
見聞を広め、造詣を深めたい

小原流いけばなのすばらしさを
より多くの人に伝えるために

日本の伝統文化を誇り高く思い、探求し続けられている上村さん。ふとしたきっかけより「いけばな」を始められ、神戸支部幹部として支部運営に携わられるまでに…常に『学ぶ気持ち』を忘れず、なにごとにもひたむきに向き合われる上村さんにいけばなへの思いをうかがいました。

ご家族を大切にされながら
いけばなに精進しておられる武田静霞先生

 神戸支部は「近畿・中部地区青年部作品展」に毎年、出品しています。福井支部さんが担当された年も参加させていただきましたが、その時の青年部長が武田先生だったように記憶しており、武田先生のお顔は研修課程を受講するよりも随分前から存じあげていました。2002年4月福井支部青年部花展「Let’s エンジョイ」に伺った時には、後日、武田先生から<綿棒で作られた満開の桜の作品の写真>が印刷された美しいお礼の葉書をいただきました。細やかなお心遣いがうれしく、今も大切に保管しています。

 研修課程での武田先生は控え室では常に落ち着いて勉強され、優秀な成績をおさめ早々に修了されましたが、大変ご家族思いのようで、研修期間中も忙しい合間をぬって大阪と福井を行き来されていたことが忘れられません。

 研修後はお会いできないままでいますが、支部や社中の花展でご活躍されていると多方面から伺っています。幹部研修などでまたゆっくりお話できる機会がもてることを願っています。

一級家元教授授与式にて
(後列左から3番目が上村さん/ホテルオークラ神戸 2014年5月)

いけばなへの想いが
やがて必然の出合いへ

 日本が誇る伝統文化「いけばな」を、日本人として知っておいた方がいい、習っておいた方がいいだろうという気持ちは以前からありましたが、その機会が訪れたのは1995年1月17日阪神・淡路大震災発生から間もない頃のある偶然がきっかけでした。当時、自宅近くのソフトエアロビクスへ通い始めたのですが、その受付で「いけばなの講座が開講されますが、いかがですか」と案内され、自然の流れのように受講することになりました。まだ習い始めで何もわからないまま出席した支部の集まりで青年部幹事に就任、1998年10月には利根川豊紀先生が新たに開講された教室のお手伝いをさせていただくようになりました。その後、利根川先生が「あなたも教えてみなさい」と強く勧めてくださったこともあり、2001年10月にはカルチャーセンターで教えることとなりました。生徒3人、うち2人は友達というところからのスタートでした(笑)。

 実際に教え始めてみると「もっと自信を持って教えたい」「小原流の花の良さをきっちり生徒に伝えられるようになりたい」と思うようになり、研修課程受講への関心が強くなりました。毎回数日に及ぶ厳しい研修内容に「受からなければ」というプレッシャーはありましたが、お家元を初めとする研究院の教授・助教授の先生方に、自分がいけた花を直接丁寧にお手直しいただき学べることが嬉しく、修了してみると長いようであっという間だった気もします。

 2011年からは大阪・家元教場にも通い、すばらしい先生方のもとで学ばせていただける幸せを実感しています。

「第52回近畿中部地区・地区別教授者研究会」優秀花作品(2015年5月)

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『小原流 挿花「わたしの街にいける」』掲載作品(No.806 2018年1月)

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“いけばなを学び・伝える”側から神戸支部幹部へ
充実の日々を過ごしています

 これまでに「近畿・中部地区青年部作品展」は盛花記念センターで3回開催されたことがあり、全回出品させていただきました。1回目(1996年)は神戸東支部青年部幹事として、2回目(2002年)は神戸東支部青年部部長として作品展の運営に携わりながら出品。いずれも神戸西・東の支部合同開催でしたので支部同士が協力し合い、本部の方にも多大なご支援を受けながら、何度も打ち合わせを重ね準備を進めました。

 3回目(2012年)は青年部長引退後でしたので、運営側の役目を終え、作品制作に注力いたしました。

「第8回近畿中部地区青年部作品展」出品作(2000年5月)

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 今年(2019年)10月にお家元ご指導のもと開催された「神戸支部創立90周年記念花展」では、思いがけず、色彩挿花の「彩の風」「流風」「時風」というコーナーを担当させていただくことになりました。お家元をはじめ、研究院講師の先生方のご指導のもと、71名のコーナー出瓶者の皆さんと“ONE TEAM”となって、楽しくスムーズに終了することができました。たくさんの方にご来場を賜り、私にとって大変嬉しく今後の励みとなりました。心より感謝いたしております。

神戸支部創立85周年記念式典 祝賀会にて
(向かって右が上村さん/神戸ポートピアホテル 2014年11月)

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 普段は神戸支部の幹部として、研究会の準備のほか、兵庫県庁ロビーや神戸市役所ロビーへ交替で挿花させていただいています。

兵庫県庁 挿花(2018年1月)

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 また、研究院教授 横東宏和先生ご指導のもと、神戸ポートピアホテルのお正月花を支部役員一同でいけるのも毎年の恒例となっています。そのほか神戸大丸で開催される「兵庫県いけばな展」や神戸市茶花道会の花展への参加など、活動の場を広げています。

神戸市茶花道会(2019年4月)

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 現在、住友ゴム工業株式会社さんの華道部で月2回のお稽古をしています。今年、初めて会社のロビーに部員の方々がいけた作品を展示しました。みなさんの素敵な作品と、充実の笑顔をご覧ください。

住友ゴム工業株式会社 華道部のみなさんと
(左から4番目が上村さん 2019年11月)

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日本文化への興味は尽きず
楽しみながら知識を増やし続けたい

 1996年、いけばなを習い始めた約1年後より、同じく日本を代表する伝統文化の茶道を始めました。お茶を習うことで、茶道具はもちろん、日本建築や庭園などへも興味がどんどん広がり、美術館や神社仏閣・歴史的建造物に足を運ぶことも楽しみとなりました。これからも様々な事に触手を広げ、さらに審美眼を磨き、世界に誇れる日本の文化について楽しみながらお勉強していきたいと思っています。

いけばな新進作家展2011(2011年7月)

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【上村 裕子さんに一問一答】

好きな花

笹百合

好きな画家と作品

俵屋宗達「風神雷神図屏風」、モネ「睡蓮」

マイブーム

食パン(神戸はパン屋がたくさんありますが、なかでも近所で焼きたてのパンを買ってきて食べるのが一番美味しくてお気に入りです。近頃は食パン専門店が続々オープン中でワクワクします)

上村裕子さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、惠良聖子さん(熊本県・熊本支部)です。研修課程で出会い、共に励まし合い研修の日々を乗り越えた仲間として今もおつきあいが続いています。2016年熊本地震の折も、大変な状況の中にありながら研修に休まず参加され、頭が下がる思いだったそうです。 どんなお話をうかがうことができるのかどうぞご期待ください。