いけばなじん

File No. 124

馬場 雅代さん

馬場 雅代さん

石川県/金沢支部

人生の転機がもたらした
いけばなの新境地

SNSで発信する
いけばなの楽しさ、柔らかい世界観

金沢支部の幹部として支部活動に情熱を注ぎつつ、ご自身の研鑽と後進の指導にも邁進されている馬場さん。社会人のたしなみとして始めたいけばなでしたが、ご結婚により移住した金沢で、花とより深く関わることに。SNSでは教室(宝円寺)の雰囲気にあった素敵ないけばな作品をアップされ、多くのフォロワーがいる馬場さんに金沢での充実の日々についてお話しいただきました。

研修課程Ⅱ期での出会いから5年
のちに知ったアーティスト・熊野寿哉さんのご活躍

 熊野寿哉さんと初めてお話したのは2014年6月、研修課程Ⅱ期1年目の時でした。控室にいる男性が熊野さんお一人だったこともあり、珍しくてお声がけしました。そのときは、どちらの支部で、師事する先生はどなたかというようなお話をしました。華道家として華々しくご活躍されているすごい方だということは、のちに知ることとなります。

 いけばなアーティストとしての熊野さんはまさに「美しい日本の心」を体現されていると思います。異なるジャンルのアーティストとのコラボレーションや本の出版など、常に新しいことに挑戦されていて、その姿勢には見習うべきところがたくさんあります。そんな芸術家としての顔を持つ反面、コツメカワウソに夢中になるキュートさも魅力的。あらゆることにストイックなイメージなので、そういうところで息抜きをされているのかもしれません。

 研修課程修了後は、Instagram等で熊野さんのご活躍を拝見しています。幹部研修会で上京した際は、素敵なお教室を見学させていただきました。いつか私の住む金沢もご案内できればと思っています。

馬場さんのInstagramはこちら

hugkumi2012

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金沢市宝円寺にて青年部花展を開催。会場にあわせて菊で「まわるかたち」を挿花。 (2015年10月)

結婚を機に学びの場は札幌から金沢へ
北海道では見られなかった“花が自生する姿”に感激

 社会人になり、母や祖母からの勧めもあって習い事を始めようと考えていた頃、職場の先輩からご紹介いただいたのが小樽支部の山本美翠先生です。それが小原流いけばなとの出合いでした。当時は仕事が忙しく、お稽古に行ってもお花だけ持ち帰ることがよくありましたが、それでも先生は根気強くご指導くださいました。いつも大振りな私の花を「でかいわね~」とおっしゃいながらも格好よく手直しいただいたおかげで、いつの間にか地区別教授者研究会や花展にも参加できるようになったのだと思います。

 結婚を機に、住み慣れた札幌から金沢へ移住することとなりましたが、山本先生のご紹介で、現在もお世話になっている金沢支部の南川美惠先生に師事することになりました。

 金沢で真っ先に衝撃を受けたのは、北海道では貴重な多くの花材が“自生”していることです。「先生! 近所のお庭に立派なコデマリがありました!」と言うと、皆に「そんなの畑の横にたくさんあるよ!?」と驚かれる始末。雪柳の花ひとつも寒さから守るよう大切に持ち帰っていた北国でのいけばな生活が、金沢では激変したのです。まさか自分で花材を採ってきていけられるなんて、北海道に住んでいた頃は想像もできませんでした。今では蛇とにらめっこしながら暖竹を採ったり、山で拾った杜松の枝を花展で使ったりするなど、植物の出生に触れる機会が増えたおかげで、写景自然がより身近に感じられるようになりました。

「第23回石川県いけばな文化協会総合花展 金沢展」出品作。自分で採ってきた暖竹を使って挿花。 (2018年6月・金沢21世紀美術館)

 金沢で暮らし始めて数年後、南川先生から専門教授者になることを勧められました。宝円寺(前田利家公の菩提寺)の檀家さんでいらっしゃる他支部の先生から紹介いただいたご縁で、お寺でいけばな教室を始めることになりました。生徒1人からのスタートです。

 ところが、教室を始めてみるとわからないことだらけ。自信を持って教えられるようにもっと勉強しなければ! と思ったのが研修課程を受講したきっかけです。研修課程受講から間もなく、一級家元教授の許状もいただきました。

一級家元教授許状授与式にて。お家元の作品と一緒に(2017年5月・ホテルオークラ神戸)
初めてのお弟子さんと。一緒に青年部花展に出品しました(2013年6月)

さまざまな活動に積極的な金沢支部
新人準幹部として体験した花展の舞台裏に感動

 支部の役職に就いたことも転機のひとつです。

 準幹部になって間もない2012年、お家元ご指導の「金沢支部創立60周年記念花展」を経験しました。「私は新人なので力不足です」との訴えも空しく、なんと花奏のコーナーを任されることになりました。大役を授かったことに不安もありましたが、そのおかげでお家元のお手元を間近で拝見することができたのです。新人ゆえに最終日まで会場を走り回っていましたが、その分、花展がどのようにして作られていくのかも理解でき、私にとってこの周年花展は忘れられない貴重な経験となりました。

「支部創立60周年記念花展」で担当した花奏のコーナー(2012年6月・金沢21世紀美術館)
「支部創立60周年記念花展」祝賀会にて。
初めての着物で歩くのに苦戦しました(前列右から3番目が馬場さん)

 「花展の花をいけるのは、出品しないと上達しません」という南川先生の教えに従い、社中にも花展への積極的な参加を勧めています。想像を超える出来栄えの作品に、皆が花展を楽しんでくれることをとてもうれしく感じています。

 金沢支部はさまざまな活動に積極的で、「マイ・イケバナ」への出品や幹部研修会への参加も盛んです。2018年に参加させていただいた那須塩原での「第1回全国青年部野外研修」に私も大いに刺激を受け、今年は青年部の活動にも微力ながら尽力させていただきました。

今年の「近畿・中部地区青年部作品展」懇親会には皆で浴衣を着て参加
(2019年8月31日・びわ湖大津プリンスホテル)

 定例研究会でさえなかなか話す機会のない会員同士が協力して作品を出品するという経験は、きっと今後の支部の活動を明るいものにしていくと信じています。 いけばなは楽しい。

#はじめよういけばな #参加してみよう花展

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お稽古の様子(2019年9月・金沢市宝円寺)

お天気のいい週末には釣りに
漁師さんからも太鼓判をいただきました!

 趣味は札幌時代から続けている釣りです。お稽古がない天気の良い週末は、釣りに出掛けます。北海道では渓流釣りが中心でしたが、金沢に来て海釣りを学びました。船釣りで「漁師にならないか」とスカウトされたことがあるのが自慢です(笑)。海外でも、ハワイ島やカナダの川で釣りをしたことがあります。釣りへの道中の景色もすてきで、そこで出合う植物を見るのも楽しみのひとつです。

渓流でイワナ ゲット!(2014年5月)

馬場さんの教室はこちら

宝円寺カルチャースクール小原流いけばな教室

【馬場 雅代さんに一問一答】

好きな花

桜、燕子花、水仙

好きな画家と好きな作品

エリック・カールとブライアン・ワイルドスミスの色彩が好きです。音楽はネットストアで気軽に楽曲を購入できるので楽しんでいます。直近では、ビートルズの「Abbey Road(Super Deluxe Edition)」をよく聴いています。

マイブーム

ぽんず(飼い猫・マンチカンの女の子)。飼い始めて1年になりますが、未だ微妙な距離感。Instagramでは「#ぽんスタグラム」で時々登場しています。

馬場雅代さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、武田静霞(福井支部)さんです。研修課程Ⅱ期で出会い、お隣の支部ということで親しくなられたそう。いつも優しく笑顔の武田さんは、いざという時はとてもパワフル! 研修期間中も「お米はしっかり食べましょう」とよくご飯に誘ってくださったそうです。どうぞご期待ください。