いけばなで被災地に笑顔を
心を癒す花の力を皆に伝えたい
40年の駅挿花
継続の秘訣は情熱、気力、モチベーション
穏やかで安心して話せる荒瀬豊波先生
相談し合い信頼関係を築いています
人生の道しるべを与えてくれた義兄
花の道へ入って拓けた人生
私は女5人姉妹の末っ子に生まれたせいか、子どもの頃は本当に内気で、初対面の方と話すことができませんでした。そんな私を心配した義兄が見かねて一計を案じ、「花嫁修業も兼ねていけばなを習ってみてはどうか」と連れていってくれたのが小原流のお稽古でした。お稽古で先生にいろいろな質問や話をし、花の道を切り拓く機会を与えてくれた義兄には今も感謝の気持ちでいっぱいです。

●お稽古風景(2016年12月)
震災直後から再開した研究会
逆境を経験して実感した花の力
これまでの人生で最も強く心に残っているのは、やはり2011年3月11日に起こった東日本大震災です。私自身も被災し、いつも定例研究会として使用していた多賀城市文化センターが避難場所となるなど、想像したこともない状況が現実に起こったのでした。そんな中、震災で傷ついた人々にいけばなで心のケアができないかと思い、被害が少なかった支部幹部が先頭に立って、被災者のためのいけばな体験講習会を企画。桜が見頃を迎えた4月末、避難所に「いけばなコーナー」を設けました。はたして参加者が集まるのかという不安もありましたが、実際には70名もの方が参加してくださって大盛況に。会話を楽しみながら花とふれあい、笑顔のひとときを過ごしていただくことができました。

●避難所でのいけばな交流(2011年4月)
皆で話し合い、作り上げていく支部活動
一丸となって取り組んだ「支部創立40周年記念花展」
多賀城支部では、毎月の研究会をメインに、多賀城や塩釜などで「みんなの花展」を定期的に開催し、「宮城県華道連盟いけばな展」や「日本いけばな芸術東北展」にも積極的に参加しています。
花展への取り組み方として、参加者をグループ分けし、グループごとに素材や環境についてのディスカッションをしながら作品のイメージを作っていく、という一人一人が参画できる方法を取っています。
また、支部一丸となって取り組んだ忘れられない行事は、2016年4月に開催した「多賀城支部創立40周年記念花展」です。家元と理事長のテープカットで幕を開けた花展は大いに盛り上がり、2日間で3,500名もの方々にご来場いただきました。
震災時には全国の小原流会員の皆さんからあたたかいご支援をいただき、とても励みになりました。地域復興の時期とも重なったこの花展を通じて、お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れず、小原流の発展のために皆で頑張ろうと誓ったことが昨日のことのように記憶に残っています。

●支部創立40周年記念花展にて 一番右が福田さん(2016年4月)
「継続は力なり」
努力が実を結んだ2018年
また、2018年は感慨深い出来事が続いた年でした。5月には小原流名誉会員拝受、10月にはJR多賀城駅での40年にわたる挿花が認められ「国土交通省表彰(第25回『鉄道の日』鉄道関係功労者大臣表彰)」に選ばれ、石井啓一 国土交通大臣から直接表彰状をいただきました。これまでも東日本旅客鉄道株式会社仙台支社長や社長、また東北運輸局や多賀城市長からも感謝状や表彰状をいただいたことがありますが、40年間継続してきたことへの集大成だと思うと本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。

●名誉会員拝受祝賀会(2018年4月)

●「平成30年(第25回)『鉄道の日』鉄道関係功労者」大臣表彰。
国土交通省にて(2018年10月)
茶道で感性を磨き、植物を愛でる喜び
自然から学び、表現力を養う
育てるだけでなく、自然に親しむ旅行にもよく出かけます。社中でも山登りや湿地帯などの散策を行い、写景盛花の表現の参考になるよう、私が植生について解説しながら歩きます。本物を観なければいけばなは表現できないと考えているので、自然観察は「いけばなじん」にとってとても大切なことだと思っています。

●山を散策し植生を研究(右から2番目が福田さん 1992年8月)

●旅先での記念撮影(後列右から4人目が福田さん 1994年10月)
実は「いけばなじん」に親子登場となりました!
娘さんの福田 光珠さんの記事はこちらから
【福田 光春さんに一問一答】
●好きな花 | 胡蝶蘭 |
●好きな芸術家 | 岡本太郎 |
●上記の芸術家で 好きな作品 | 太陽の塔 |
●マイブーム | 観葉植物を育てて殖やすこと(びかくしだ、セローム)、旅行 |