今だからこそ感じた生きがいは
いけばなと食と楽しい時間を共有すること
これまで支えてくださった
多くの方々に感謝
空港での出会いから意気投合
明るく優しいオーラが魅力の木野豊淨先生
木野豊淨先生との出会いは平成21年10月。支部長セミナーに出席するため、伊丹空港で三宮行きのバスを待っているときでした。どちらからともなく会釈し、「熊本空港でご一緒でしたね」と言葉を交わしたのがきっかけです。木野先生は愛らしい笑顔と、明るく優しいオーラいっぱいで、その気取りのないお人柄にとても親しみを覚えたものです。お花はもちろん、書道や料理、ファッション、アンティークが大好きなところも相通じるものがあり、すっかり仲良しになりました。セミナーの帰りには緊張もほぐれ、百貨店でお買い物やお茶をし、おしゃべりを楽しみました。
現在は、九州各支部の周年行事の際には行き来をするほか、電話やメールで近況報告や情報交換をしており、近日中に温泉の町、人吉に伺う予定です。

●みやざき花の祭典デモンストレーション(2018年2月)
お花をいけることの喜びを見出した公務員時代
恩師や支えてくれた義母にも感謝
いけばなを習い始めたのは、公務員として働いていた頃。職場の友人に誘われ、お昼休みを利用してお花をいけたことがきっかけでした。小原流には昭和50年9月に入門し、佐藤豊智先生に師事。当時、1歳と2歳の子どもを抱え子育てが大変な時期でしたが、同居中だった今は亡き義母が全面的に協力してくれたおかげで、お稽古を続けることができました。生徒が減少し、とうとう私一人になったときにも、佐藤先生は我が家までいらして熱心にご指導くださいました。
その後、現在の師で、当時延岡支部長をなさっていた田﨑豊延先生をご紹介いただき、ご指導を仰ぐ運びとなりました。
また、同じ頃に延岡市華道連盟に加入し、それと同時に支部役員を務めさせていただくことになったことも印象に残る思い出です。
そんなさまざまな出来事を思い返してみると、私は幼少の頃からお花が大好きでした。実家の周り一帯には、梅をはじめ桜、椿、楓、木蓮、竹、藤、つつじ、そして桃、栗などの果樹、菖蒲に牡丹、擬宝珠と、いろいろな植物が祖父の手によって大切に育てられていました。ものごころついた頃からこれらのお花でままごと遊びをしていた私は、やはり、なるべくして「いけばなじん」になったように感じています。
また、公務員時代に知り合えた人との貴重なつながりは今も大切にしています。本格的にいけばなの仕事をするようになったとき、地域の皆様方には会場手配や食事、お客様のご接待など、たくさんのご支援とご厚情、御恩をいただきました。多くの方々から支えていただきながらいけばなを続け、これまで歩んでこられたことを思うと、ただただ感謝の念でいっぱいです。

●支部65周年記念花展(みんなの花展)にて
いつもご支援いただいている近隣の皆さんと(2015年3月)
情熱あふれる先生方が
前向きに取り組む延岡支部
延岡支部では、年に1度の「みんなの花展」や専門教授者対象の勉強会(年6〜8回)を中心に、さまざまな活動に取り組んでいます。
会員は一級クラスが一番多く、高齢の方が多数というのが延岡支部の現状です。研究会の参加者数は現在も100名以上を維持しております。以前に比べると師範科一期〜二級までの人数が減少傾向にありますが、専門教授者の先生方が勉強会をはじめ花展や伝統文化いけばなこども教室などに熱心に取り組んでくださっていることが大変ありがたく、心から敬意を表します。
また、個人活動としては、記念祝賀会におけるステージ花挿花(2018年4・5月)、いけばな体験教室(中でも「国際交流員へのいけばな体験教室」はワイワイテレビにて放送されました)、「宮崎県花の祭展」でのデモンストレーション(2018年2月)、季節ごとに行う店舗ディスプレイ(年間5〜6回)、伝統文化いけばなこども教室の開催などの活動をしています。

●伝統文化いけばなこども教室の様子
また、延岡市華道連盟会員としましては、書道といけばながコラボする「一幅一瓶展」(4月)、8月4日の「橋の日の献花」、10月の「文化祭展」などに参加。
中展は、平成6年から2年に1度のペースで現在までに7回開催しています。

●前山口支部支部長・前田豊秀先生と(2013年12月)
着物姿に憧れて特訓の日々
国際親善パーティーは忘れがたい思い出
もともと着物が大好きだったこともあり、研究会に出席するようになると、毎回着物をお召しの大先生に憧れを抱くようになりました。そこで、お花を一緒に始めた友人と共に着物の着付け教室に通って、免許取得のため必死で勉強しました。
当然のように呉服屋さんとの交流もできて、平成11年2月にはモナコ、ジェノバ、フィレンツェへの旅に同行しました。初めての海外旅行でしたが、歴史ある建物と街並み、美術品、景色など、そのどれもが驚きと感動の連続。京都の姉妹都市であるフィレンツェ(名誉市民)のバッジもいただきました。特に故グレース王妃が愛されたモナコ公園と、モナコ王室の方をご招待して催されたきもの文化交流と親善パーティーは、忘れられない思い出です。

●モナコ王室の方もいらしたきもの文化交流と親善パーティー(中央が甲斐さん1999年2月)
お客様に四季折々のお食事と楽しい時間、
健康を分かち合って
現在、創作料理のお店「オードリー」を始めました。調理に興味がわいたのは、大切な家族や親戚、知り合いを亡くしたことや、自身の病気、また近隣の一人・二人暮らしの高齢の方々の存在などがきっかけです。これまでの食事のあり方を見直すと同時に、好きなお料理を通じて私自身の生きがいを見出したいとの思いもありました。

●お花が咲きこぼれる「オードリー」のエントランス

●季節の食材を生かしたお料理
幸いにもこの地域は豊かな山海の幸に恵まれていますので、メニューに季節を取り入れ、いかに興味を持って食していただけるかを考え、創意工夫して調理しています。そして召し上がっていただく空間には小原流のいけばなを飾り、楽しい音楽を。お客様との出会いに感謝し、素敵な空間と時間を共有する幸せを味わっています。
【甲斐 豊喜さんに一問一答】
●好きな花 | バラ |
●好きな女優 | オードリー・ヘップバーン |
●好きな作品 | 『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』『地下鉄のメロディー』『おしゃれ泥棒』(どれも皆大好きです。容姿端麗、女優としての彼女は特に可愛くて素敵だし、引き際もきれい。晩年のボランティア活動など、生き方の姿勢に強く惹かれる永遠の憧れです) |
●マイブーム | お洋服のお直し |