花に宿る不思議な“ちから”
いけばなの魅力をもっと伝えていきたい
いけばなから始まった人とのつながり
私を励まし続けてくれたすべての人々に感謝
お互いが初めての研修体験
鈴木綾子さんとの出会いでリラックス
鈴木綾子先生との出会いは、平成25年6月、研修課程Ⅱ期受講のときに宿泊していたホテルで、朝食時に同席したのがきっかけです。はっきりとは覚えていないのですが、お互いの出身地をはじめ、いろいろなことをお話しました。私にとってこれが初めての研修課程でしたので、とても緊張していましたが、鈴木先生も同じく初めてと伺って親近感が湧き、少し緊張がほぐれました。
鈴木先生は気さくで明るく、親しみやすい素敵な方です。研修では手際よくお花をいけておられ、とてもお上手な方だなあと思いました。研修課程Ⅱ期修了後、Ⅲ期も同時期に進み夕食をご一緒したこと、また研修中に何名かで食事をしながら後ろいけの勉強をした際は、鈴木先生の説明がとてもわかりやすく、メモを取らせていただいたことが心に残っています。
東京でおこなわれた花展を見に行った際にばったりお会いし、研修以来の再会に喜んだこともありました。現在でもメールのやりとりをしていますが、今では講師になられ、ご活躍をとてもうれしく思っています。
自身とともに成長した
いけばなとの関わり方
私が幼い頃から母はいけばなを教えていたので、家にはいつもお花があり、日ごろからいけばなとふれあえる環境でした。親戚のお姉さんが始めたのをきっかけに、私も一緒に習い始めることにしたのですが、子どもの頃はいけばなというよりもお花で遊ぶことが楽しかったように思います。お稽古の合間にお花の茎を裂いたりちぎったり、お花の中がどうなっているのか観察したり、お絵かきを楽しんだりなどなど…。それでも、いけたお花はきちんと玄関に飾っていました。
まじめにお稽古に取り組み始めたのは大学生の頃で、花と器を見つめ、試行錯誤しながら自由に表現をする自由創作が楽しく、魅了されました。
就職してからは、社長や上司がご自宅の庭に咲いたお花を職場に持ってきてくださった際に、たくさんの方に見ていただけるようカウンターにいけ、いけばなを通した人とのふれあいや、お花を見て喜んでいただけることを嬉しく感じました。
●みんなの花展出品作品(2016年1月)
またその頃、地区別教授者研究会に参加するようになり、研修課程Ⅱ期への受講案内が届くようになりました。結婚、出産、育児休暇を終え、職場復帰して間もない大変な時期でしたが、思い切って受講することを決意。研修中は緊張もしましたが、日常を忘れ、いけばなだけに没頭できる、私にとって至福の時間でした。いけばなに向き合う受講者の皆さんの姿勢から刺激を受けるとともに、全国の方とお知り合いになることができたことも、研修に参加した大きな収穫だと思います。
どんなときも出席し続けた研究会
お稽古で気持ちもリフレッシュ!
現在は専門教授者となり、自宅のほか、お花屋さんの教室や伝統文化いけばなこども教室で教えています。
お花屋さんの教室では、生徒が自分の好きな花を店頭から選んで取り合わせているのですが、珍しいお花を選んでみたり、今日は何をいけようかと楽しんでもらっています。たくさんある中から選んだお花が、いけた後にどのような作品になるのかもお稽古の楽しみの一つです。

●お稽古風景・お花屋さんの(株)花よねさんにて(2018年3月)
今年、熊本南支部研究会において「30年皆勤賞」をいただきました。学生時代は学校帰りに立ち寄り、結婚後は子どもをおんぶしたりベビーカーに乗せて出席することもありました。さまざまな状況の中でも出席し続けることができたのは、支部の皆様のおかげだと感謝しています。
また、これまでいけばなを続けられたこと、研修課程にも参加することができたのは、家族や職場の方々のサポートがあったからだと思っています。
仕事で遅くなったときや、子育てで疲れているときも、お稽古をするといつもリフレッシュできました。花には不思議な力があり、見ていると心が落ち着きます。いけばなを通してさまざまな出会いや経験ができるのも魅力の一つ。この魅力をもっとたくさんの方に知っていただきたいと思います。
たずさわった数々の経験を糧に
さらに精進を重ねて
現在は、熊本南支部の幹部として研修部の仕事をしています。これまでは準幹部として研究会場の準備などをしてきましたが、幹部となったことで支部会員の皆さんのお力になれるよう、より一層頑張っていきたいと思います。

●幹部研修会で参考花となった作品(2017年6月)
また、青年部長としても活動しています。青年部長として初めて参加した「第7回九州地区青年部野外展」では、部員皆でアイデアを持ち寄り、どのような作品にするかを考えたり、前夜祭の余興に向けて練習するなど、大いに楽しみました。

●熊本南支部青年部のメンバーと(一番左が安達さん)(2017年10月)
印象深い出来事は、所属する熊本南支部の「創立25周年記念式典・特別講習会(2007年10月)」で振袖を着て式典の賞状持ちをしたこと、また『挿花No.678(2007年5月号)』の“器を探しに行こう!”というコーナーで、風に苦戦しながらも屋外で地元陶芸家の作品に挿花し、撮影していただいたことです。どちらも貴重な経験となりました。
世界遺産や美術館めぐり
美しいものでの出会いが心のビタミン
最近はなかなか行く機会がないのですが、海外旅行が好きです。
大学生の頃、初めてタイとシンガポールを旅したのをきっかけに、これまでヨーロッパやアジア、ハワイなどを訪れました。特に世界遺産や美術館巡りなど、さまざまな国の文化や歴史を知り、美術品を鑑賞することが好きです。訪れる国の言葉を少し覚えて会話してみたり、徒歩で移動できる所はできるだけ歩いて日常生活を垣間見たり、また、その土地ならではの食事も楽しみにしています。
子どもの頃、夏になるとよく海水浴に連れて行ってもらいました。その影響からか海で泳ぐことが好きで、シュノーケルをしにハワイの海を訪れたり、今も夏には子どもと一緒に泳ぎに行っています。
これまでいけばな以外では、ピアノ、習字、スイミング、茶道を習ってきました。今は趣味でたまにピアノを弾く程度で、どの習い事もしていないのですが、時間ができればまた習いたいと思っています。

●ハワイのビーチにて(2007年9月)
【安達 英梨子さんに一問一答】
●好きな花 | バラ、ラナンキュラス、ニゲラ、和花 |
●好きな作家 | 尾形光琳 |
●上記の作家で 好きな作品 | 『紅白梅図屏風』 |
●マイブーム | 紅茶やコーヒーと一緒に、ベルギーの「ロータスオリジナルカラメルビスケット」を食べて、ひと息つくこと。 |