みんなのいけばな



花綵巡遊 〜花と街と人と〜 シリーズ2
佐世保、美しい九十九島を思いつつ、「薮椿」をいけてみました


 九州の西端、ハウステンボスで有名な佐世保ですが、200以上もの大小の島々からなる九十九島も名所のひとつです。特に水平線に沈む夕景は見る人の言葉を失わせるほどの美しさで、まだまだ多くの自然が残っています。
 佐世保は、戦前は軍港として栄え、戦後は米軍基地としての歴史があります。戦後、米軍の奥様方がいけばなに興味を示し、小原流に入門され、現在も小原流のいけばなを続けておられます。

 私が九十九島の見えるところに住んでいました頃、庭には薮椿があり、花の頃には寒風を受けて引き締まっている枝には感動したものです。そのせいか、私は薮椿が大好きなのです。そこで、九十九島を思いつつ、薮椿をいけてみました。

 現在、私の教室には小学生から高校生、それに80代の方まで幅広い年代の方がおられます。教室は笑顔が絶えず、いけばな以外の話題に花が咲くこともしばしば。


 つねに明るい雰囲気の教室だと思っています。また、日々の指導では、花材をよく見て、花と語り合うようにいけることを理解してもらうようにしています。
 忙しい方が多い時代ですが、忙しいなかでも花をいけることで心が和み、癒されると思います。これからも生徒との対話を大切に、楽しい教室にしていきたいと考えています。
(小原流教授会会報「ふうせん」Vol.29掲載の「花綵巡遊」より再構成しています)
左写真九十九島夕景
(写真:佐世保市役所ホームページより転載させていただきました)
右上写真/いつも明るい教室で、幅広い世代の生徒さんたちと
右下写真/九十九島の景色を思い浮かべつつ、薮椿をいけてみました

小原流佐世保支部 参与  志方 梅苑






花綵巡遊 〜花と街と人と〜 シリーズ1
小樽、この美しい街から、いけばなを愛してくれる人々が生まれてほしい


 三方を山に囲まれ、海岸線に沿って奥行きのない平地の広がる小樽は、起伏に富んだ丘と坂の町。そして、国際貿易港に指定され、全国6位の商港として殷賑をきわめた町です。
 小原流小樽支部の発会については、近藤光富先生、堀内光文先生が中心となり、小原流三世家元小原豊雲先生を何度かお招きして講習会を開催し、若手会員のみならず諸流の先生方にも影響を与えたというお話が伝えられています。それから早80年が経とうとしています。

 私の入門のきっかけは、堀内先生の社中展でのこと。数多い作品の中で手付きの篭にいけられた季節の花に魅せられ、自分の求めていたものはこれだ!と、その場で直接入門したことは、今でも脳裏に焼きついています。

 以来、「花から精をいただき、花によって教えられ、さらに心豊かにしてくれる」ということが私の教訓になったのです。昭和25年に小原流に入門し、多くの方々との交流が始まりましたが、教える立場となり、生徒にも恵まれました。


 生徒たちには「花をいけることは花との対話であり、また、我が心との対話ですよ」と話しています。
 いけばなが恋人、会う人会う人も恋人。夢を大きく広げることが大切だと思っています。この美しい街から、ひとりでも多くの小原流を愛してくれる人々が生まれてほしいと願っています。
(小原流教授会会報「ふうせん」Vol.31掲載の「花綵巡遊」より再構成しています)

小原流小樽支部 参与  北川 豊翠
左写真/郷愁を誘う小樽運河
(写真提供/小樽市経済部観光振興室企画宣伝課)
右上写真/花展でのいけ込み(前列中央がご本人)
右下写真/花材の個性と色調、出会いの面白さにひかれ、気の向くままにいけてみました。社松の動きとセロームの面の動きが面白く出会い、今にも動き出しそうな作品。花材:社松の木、セローム、キングプロテア、斑入りスプレンゲリー 花器:創作花器






小原流を通しての出会い。
それが、私の人生を豊かにしてくれている。


 18歳の時、近所の方の紹介で小原流の教室に通い始めました。小原流の先生との出会いは、私の大きな財産です。お花だけではなく、人間関係や物の見方に対する大切な教えを与えてくださいました。
 現在、ヨーロッパの伝統工芸国ベルギーで生まれ、細い糸と小さなボビンを使ってつくりあげるボビンレースの指導をしており、自宅にレースのメンバーが来られるときには、いけばなを玄関などに飾っています。いけばなとは趣を異にする世界ですが、レースのメンバーもいけばなを楽しんでくれているのがとてもうれしいですね。




 いけばなのお稽古は40年以上させていただいていますが、お稽古に行ってうれしいことや嫌なことなど社中のみなさんとお話ししながら楽しい時間を持てることと、ボビンレースを習いに来られる方々との交流が、今の私の生き甲斐といえるのではないでしょうか。


「華やかなボビンレース やさしい基礎と作品」/光平一子 著 /日本ヴォーグ社

光平 一子さん/ボビンレース「KANTの会」主宰
OlDFA(世界レース機構)会員






いけばなとの出会いが、
万葉の花研究へと私をいざなった。




 19歳の時、いけばなとの出会いからすべてが始まりました。私の人生が大きく広がるきっかけをいけばなは、与えてくれたのです。
 奈良に生まれ、そして奈良の歴史と自然の中で育ててもらった私。私にとって万葉の花々は、ほんとうに身近な存在でした。
 そして、日本の伝統文化であるいけばなとの出会い。このふたつが私の中で溶けあい、自然な形で熟成し、現在の仕事と結びついたのでした。



 テレビ出演やエッセーの執筆、講演会活動など、万葉の花といけばなを通じて、私のフィールドが広がりました。また、中国・昆明やオランダ花博での特別出展など華やかな経験をさせていただきました。
 私にとっていけばなとは、まさに人との出会い。人との出会いこそ、私の世界を広げてくれました。そして、花を愛する人は、みんないい人だと思います。これからも花を愛する人々との出会いを大切にして参りたいと考えています。

「やまと花萬葉」/片岡寧豊 著/当方出版

片岡 寧豊さん/万葉の花研究家


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