みんなのいけばな

File No.87

齊藤 今日子さん 齊藤 今日子さん 静岡県/沼津支部

いけばなから学んだ創作することの楽しさと難しさ 仲間と織りなしてきた歩みが心の糧となって

異文化を知ることで
よりいっそう「いけばな」の奥深さに魅了されました

青年部活動の中で仲間とともに創造する楽しさを実感する傍ら、一人で取り組む「マイ・イケバナ」にも挑戦されている齊藤さん。いけばなと並行してフラワーデザインの勉強にも励んだことで、ご自身が日本人であることを強く意識するようになり、よりいっそういけばなの勉強に熱が入ったとおっしゃいます。柔らかな佇まいと強い求知心を持ちあわせた齊藤さんにお話を伺いました。

気さくでいつも自然体の木滑さん ピンチを救ってくれた心優しい気遣いに感謝

 木滑さんとの出会いは研修課程T期のときです。控室で受講生の皆さんと「様式は何が出るのかしら」とお話ししていたその輪の中に木滑さんもいらっしゃいました。いけ込みのために身に着けておられたエプロン姿に「気合い」を感じ、とても印象に残っています。第一印象どおりの気さくな方で、いつも自然体の大らかなお人柄です。

 研修後はしばらくお互いのタイミングが合わず、お付き合いもなかったのですが、偶然、東京のお教室で再会し、それ以来親しくさせていただいています。
 ある時、出先で荷物が急に増えてしまったことがあったのですが、木滑さんはご自分の荷物を整理して、私が持ち帰りできるようカバンを貸してくださいました。何の躊躇もなく行動してくださった彼女の優しい気遣いがとても嬉しかったことを覚えています。

職場の華道部でも「教える立場」に 思い出の花は「おばあちゃんの花」です

 私がいけばなと出合ったのは職場でした。社会人となり、何か新しいことを始めようと考えていたところ、職場の先輩方のほとんどが華道部員だったことから、自然とお花のお稽古を始めるようになりました。
 毎年、会社でおこなわれる文化祭には華道部員が作品を出品しています。私が選んだ何種かの花材の中から、各自に自由に選んでいけてもらっています。職場の方々に見ていただける良い機会ですので、皆真剣です。

教わる側から教える立場へ。華道部のお稽古後(右から3番目が齊藤さん 2014年5月)

 一番思い出深い花は「金魚草」です。私がいけばなを習い始めてから、祖母が畑で育てていた金魚草をよく持ってきてくれるようになりました。当時はいけにくい花だと思っていたのですが、今ではとても愛おしい花のひとつです。お稽古でも取り合わせをし、「おばあちゃんの花」として生徒たちに話をしています。

青年部の活動で得た経験を活かして 支部を支える力になっていきたい

 私が所属している沼津支部青年部は、毎年三島市でおこなわれる「ホタル祭り」に協賛し、舞台装飾やミニアレンジメントの販売をしています。毎回違ったデザインを皆で考えるのは大変ですが、それが面白くもあり、青年部が団結できる貴重な瞬間です。この活動を通していろいろなことを覚えることができましたし、また支部の仲間になれたことを実感しています。

三島ホタル祭にて(前列右から3番目が齊藤さん 2012年6月)

青年部の皆と伊藤彰子先生の結婚式にて(一番左が齊藤さん 2014年6月)

 沼津支部創立60周年記念花展では、青年部で風船を使った作品を出品しました。暑い夏のさなかに毎週集まり制作に励んだことも、今となっては良い思い出です。当時は青年部長を務めさせていただいておりましたが、その重責も支部の方々のご協力のおかげで果たすことができたのだと深く感謝しています。

沼津支部創立60周年記念花展に出品する青年部作品の制作風景(2012年7月)

沼津支部創立60周年記念花展にて、親先生の谷井ゆきえ先生と(右が齊藤さん2012年9月)

 沼津支部の先輩の先生方はとても明るくてお元気な方ばかり。お稽古は真剣ですが、「新年のつどい」のゲーム大会では大笑いし、歌を歌ったりもします。そんな先輩方の背中に必死でついていく気持ちでおりましたが、いつしか私も幹部となり、今年からは受付係チーフをさせていただいています。まだまだ未熟者ではありますが、少しずつ前進できればと思っています。

 そして、親先生の谷井ゆきえ先生にはいつも温かく見守っていただいています。研修中に泣き言を聞いてくださったり、力強く背中を押していただいたりと、本当に本当に感謝しています。これからもずっとご指導いただきたいと思っています。

沼津支部「新年のつどい」にて(右が齊藤さん 2016年1月)
沼津支部みんなの花展出品作品
(2013年4月)

 今年は、長年の憧れではありつつも二の足を踏んでいた「マイ・イケバナ」に初めて出品しました。まだまだ稚拙な作品でしたが、何かを創る大変さをあらためて実感できましたので、今は出品してよかったと思っています。

フラワーデザインの勉強を通して 再認識したいけばなの魅力

お正月のアレンジメント(2015年12月)

 実は、いけばな以外に、フラワーデザインの勉強もしており、結婚式のブーケ制作や講習会を開催しています。
 4日間だけですが、ドイツのヴァイエンシュテファンという町にある、国立花き芸術専門学校のセミナーにも参加しました。セミナーでは、日本全国から参加した初対面の方々とチームになって作品を作り、作品のヒントをみつけるために美術館や街中の建物を見学。出来上がった作品を皆の前でプレゼンし、その後チームでディスカッションをします。そんなドイツ式の授業はかなり刺激的かつ新鮮で、どちらかというと思いを内に秘めるタイプの私にとってはハードルの高い授業でしたが、表現を伝える手段を学ぶことができたのは貴重な体験でした。

 これまで、「いけばなとフラワーデザインはどう違うのか」という疑問から、両方を習い続けてきました。その結果、それぞれが異なる国民性や生活様式を背景とした「似て非なるもの」であり、それらの違いが表れているのだということに気がつきました。
 両方を学ぶ中で感じたことは、自分はやはり日本人なのだということ。その思いに至ってからは、よりいっそういけばなに身を入れて勉強するようになり、ようやくその奥深さを垣間見られたような気がしています。

神戸での一級許状授与式にて。緊張と感動は一生忘れません(2012年5月)
【齊藤 今日子さんに一問一答】
好きな花: 白木蓮
好きな作家: アルフォンス・ミュシャ
好きな作品: 特別どれということではないのですが、劇場ポスターなどに描かれるミュシャの柔らかなアール・ヌーボーの世界が好きです。
マイブーム: コンビニドーナッツ…体重増加が止まりません。

齊藤 今日子さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、青木 初衣さん (清水支部)です。研修課程でご一緒して以来のお付き合いで、お顔を見るとホッと安心できる存在だそうです。一緒に観光された際には「物知りで好奇心旺盛なお姉さん」の一面も。どうぞご期待ください。


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