みんなのいけばな

File No.85

荒川 秀美さん 荒川 秀美さん 新潟県/新潟支部

急逝した恩師との約束を果たすため ただひたすらに努力を続けたい

いけばなにも地域活動にも
まっすぐに取り組んで

学生の頃、お稽古帰りに花袋を抱えている人の姿に憧れていけばなを習い始めたという荒川さん。仕事との両立、結婚に伴う転居、恩師との出会いと別れなど、人生の転機にはいつもいけばなが傍にあり、ともに歩んで来られました。また「地域のために貢献したい」というホスピタリティと行動力の持ち主で、お若くして地域の民生委員も務められている荒川さんにお話を伺いました。

研修中の皆の緊張を解きほぐしてくれる アレイさんの人柄に感動

 アレイさんとは研修課程U期の前期で初めてお会いしました。席が近くだったことは覚えていますが、研修に真剣だったため何を話したのかは記憶にありません。とにかく「目立つ!」「存在感ある!」「大声でよく笑う!」、そんな印象でした。

 研修課程U期の後期で再会した時はお花以外の話で盛り上がり、緊張続きの研修の空気を常に和ませてくださいました。その時の会話で印象に残っているのが、「ブラックサンダー」というチョコレート菓子のことです。1個30円ぐらいのお菓子で、アレイさんの周辺ではブームになっているとのことで、それを知らなかった私にも丁寧に説明をしてくださり、このことがきっかけで親しくなったように思います。
 飾り気がなく、気さくなお人柄で会場の皆様にお声掛けをしている姿にはとても感動しました。アレイさんは自己アピールが上手く、私なら少し照れくさくて口ごもってしまうようなことでもさらりと自然に表現されるので、私もついつい話に惹きこまれていました。おそらく会場にいた皆様がそう感じていたのではないでしょうか。現在は、メールでお互いの近況報告のやり取りをしています。

亡き恩師との約束を胸に たゆまぬ努力を積み重ねて

 いけばなを習いたいと思ったのは、中学生の頃。ビニールの花袋に花を包んで持って歩く人を見かけ、その姿に憧れたことがきっかけです。母からは「高校生になったら習ってもいいよ」と言われていたので、その時期を待ってご近所で小原流を教えられていた先生の元へ通い始めました。

 高校を卒業し上京した後も、お稽古は続けていました。ただ、出張の多い仕事だったことや、夜学に通っていた時期もあったので研究会を長く休んでいました。今から考えると、若くて頭も体も動くあの時期にもっと真剣に勉強すべきだったと反省しています。

 その後、結婚を機に新潟へ。東京で教えていただいていた先生から池田彩美先生をご紹介いただき、そのあたりから本腰を入れていけばなと向き合うようになりました。「まずは地区別教授者研究会に参加してみよう。その後は研修課程で学ぼう」と目標を立て、毎週休まずお稽古しました。池田先生は普段はとてもお優しく、よく一緒におしゃべりもしましたが、ご指導に関しては厳しい方でした。今思い返しても、たった2回しか「いいね」と作品を褒めていただいたことがなかったように思います。

支部新年会で故・池田社中の皆さんと(故池田先生前列左から3番目・2011年1月)
「みんなの花展」出品作品(2016年6月)

 池田先生の熱心なご指導のおかげもあり無事研修課程T期を修了し、U期に進むことになった矢先、先生との突然のお別れがやってきました。前日、電話でお話したばかり。「なぜ!?この先どうしたらいいの?」と頭の中は真っ白に。でも、私には亡くなられる数カ月前に先生と交わした2人だけの大事な約束がありました。「先生がいらっしゃらなくても何とか頑張らねば…」と、今もその約束を果たすために、県外に足を延ばしお稽古に励んでいます。

花展や青年部活動にも積極的に参加 諸先輩のご指導に感謝しています

 初めて花展に出品したのは、高校生の時です。会場(おそらく百貨店だったと思います)に鋏を持って行き、先生が用意してくださったお花をいけただけのように記憶しています。
 現在、新潟支部では毎年百貨店で「みんなの花展」を開催していて、私自身まだまだ花展の経験は浅いのですが出品させていただいています。何をいけたいか、何にいけたいかをようやく自分で考えられるようになってきました。

初めての花展出品作品(1986年)
「みんなの花展」出品作品(2010年6月)

 昨年は、故・池田先生と毎年合作を出品されていた名誉幹部の若林菖葩先生と赤川淳麗先生からお声かけいただき、写景盛花自然本位の挿花をご一緒させていただきました。大変勉強になったと深く感謝しております。

「みんなの花展」名誉幹部の若林菖葩先生と赤川淳麗先生との合作(2015年4月)
合作作品前で記念写真(右から若林先生、赤川先生、荒川さん)

 また、新潟支部では青年部の役員として、『挿花』2009年11月号「花産地を訪ねて」の撮影に協力。2011〜2012年には青年部部長という大役を務めさせていただき、青年部の行事や支部新年会でのゲームを企画・実施し、「第1回関東・信越地区青年部野外展」にも参加、他の支部の青年部の方との交流など貴重な経験をさせていただきました。新潟支部の青年部役員は親睦が深く交流が盛んでしたので、研究会の打合せなども楽しかった思い出があります。
 現在は支部の幹部として、諸先輩方からご指導を賜りながら務めさせていただいております。

 
「花産地を訪ねて(『挿花』2009年11月号)」
支部新年会で青年部が担当するゲームコーナー(2011年1月)

女性消防団や民生委員としても活動 地域のために、まず行動!

 新潟に移り住んだ頃は日々家業を手伝っていましたが、じっとしていられない性格なので「何か地域に役立つことを」と考え、ホームヘルパー1級の資格を取得しました。その後、女性消防団員という存在を知り入団。あまり知られていませんが、全国約2万2000名が活動しています。私が所属する団の主な活動は、月1回の定例会、出初式の出席、応急手当指導員として消防署員の補助、地域自主防災訓練時の司会進行や心肺蘇生法、AEDの使い方の住民への指導、各種大会のお手伝い、また年2回の火災予防週間には拍子木による町内夜回りや、駅周辺での防火広報活動などです。幅広い年齢層の団員たちで和気あいあいと楽しく活動させていただいております。

ポンプ操作大会司会(右端が荒川さん)

 また、自治会長より依頼を受けて、数年前から民生委員として活動しています。地区の中では一番の若手で、月1回の定例会や、各種研修会での勉強、高齢者・児童の見守り、地域の茶話会などが主な活動です。
 そんななか、他に何か私にできることはないかと考え、毎回テーマを決め講師を招いて担当する地域の集会を開催しています。ご高齢の方が参加してくださって、その方々の「久しぶりだね、会えて良かったわ」という会話を耳にするとうれしくなります。今後も先輩にアドバイスをもらいながら、細く長く活動していきたいと思います。
 そして、最近学んだ「終活カウンセラー」。年金や相続、介護、葬儀等に関する適切な相談先を見極め、専門員に繋ぐという民生委員と似た活動ですが、奥の深い分野を見極めるにはまだまだ学ぶことが必要と考えております。
 新潟での生活はまだ10年ちょっとですが、少しでも何かの役に立てるならという思いを胸に、日々奔走しています。

【荒川 秀美さんに一問一答】
好きな花: 真っ赤な薔薇 牡丹
好きな作家: 湊かなえ、三浦綾子、アサヒビール
好きな作品: 湊かなえ・三浦綾子の作品すべて、スーパードライ(笑)
マイブーム: とと姉ちゃん (NHK連続ドラマ小説)、牛乳(指の骨切り術(関節変形性関節症による)がきっかけで飲み始めて味の違いにハマリました)

荒川 秀美さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、木滑 紀代美さん (東京支部)です。数年前まで新潟支部に在籍され、青年部の活動でご一緒して交流が深まりました。常に話題を提供してくださる人を飽きさせない楽しい方で、力強さと乙女な部分もあわせ持つ女性とのことです。どうぞご期待ください。


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