みんなのいけばな

File No.81

藤田 智加子さん 藤田 智加子さん 静岡県/静岡支部

いけばなが縁となり 広がる人との繋がり

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」

家事や育児の合間の癒しだったいけばな
今では「学ぶ楽しさ」「伝える喜び」を感じています

若くして嫁ぎ、子育てや介護に奔走をしながら、いけばなのお稽古を続けてこられた藤田さん。家族の絆を大切にし、常にポジティブシンキングでいらっしゃる藤田さんに、いけばなやご家族への思いなどをうかがいました。

研修課程で出会った金子さん 頼りになるお姉さんのような存在です

 金子さんと出会ったのは、平成26年7月、大阪・小原流研修会館でおこなわれた研修課程T期です。控え室で同じテーブルに座ったことがきっかけで、自然と10名ほどのグループができました。皆さん研修1年目の方ばかりで、休み時間にお菓子を持ちよりながらアドバイスをし合うなど、和やかで楽しい雰囲気が生まれました。
 静岡支部から研修T期に参加したのは私1人だったうえに、ほとんど無知な状態でしたので、研修中も席が近かった金子さんには、いろいろと教えていただき大変お世話になりました。私と同い年でありながら、落ち着きがあり知識も豊富でいらっしゃるので、ふと年長者と錯覚してしまうほどで、研修開始前には花材用のバケツの準備についてテキパキと教えてくださったり、資料がたくさん入ったご自身の研修用ファイルで次の時間の花型の助言をいただいたりと本当に頼もしい存在でした。

 研修終了後、金子さんを含む計4人で新幹線に乗るまで一緒に過ごしたのがご縁となり、LINEグループを作って連絡を取り合っています。内容はいけばなのことが多くなりますが、皆で東京の花展に出かけたり、昨年は旅行も楽しみました。特に金子さんとは度々お会いして、東京の美味しいお店を紹介していただいたりしています。

こどもを背負って通うほど夢中になったお稽古 周りの熱意や真剣さに感銘を受けた研修課程

辻先生にご指導いただいたひな祭りアレンジ
(2016年3月)

 私がいけばなを始めたきっかけには、1987年、1人目のこどもを妊娠中にマタニティスイミングで出会い、嫁ぎ先の静岡で最初に友人になった静岡支部の長谷川 みどり先生が深く関わっています。1994年みどり先生が地域の依頼でいけばなを教え始めた折に私を誘ってくださり、それまでいけばなとは無縁の生活だったうえに、当時3人目の子どもが生後6カ月ほどでしたが、いけばなを学べるのが嬉しくて娘をおんぶしながら教室に通い、家事と子育てで何かとせわしない時もいけばなに心が癒されました。みどり先生には長年お世話になりながら、その間資格を取ることはありませんでしたが、末息子の高校入学を機に「本格的にいけばなを始めたい!」という意志をお伝えしたところ、先生の師匠であり、当時小原流研究院の講師もされていた辻 節子先生を紹介してくださいました。こうして私は50歳を目前に正式に小原流に入門するはこびとなり、現在は辻先生のご指導のもと小原流のさまざまな活動に参加させていただき充実した毎日を送っています。

静岡支部創立80周年記念花展(2014年3月)
静岡県華道展(松坂屋 静岡店・2015年10月)

 三級家元に進級した年に冒頭の研修課程の案内が届き、辻先生にご相談したところ「とても貴重な体験ができるわよ」とおっしゃってくださいましたので迷わず参加することを決心しました。研修課程は初めて体験することの連続で緊張もありましたが、まわりの方々のいけばなに対する熱意や真剣な取り組みを目の当たりにしたことで、私のいけばなに対する姿勢や意識も変化したと思いますし、普段なかなかお目にかかることができない家元や研究院の先生方のご指導による技術や知識、また人との繋がりなど、いけばなを通して得られたものは計り知れないと実感しています。

県や支部の花展に積極的に参加 作品を見ていただくことが活力に

藤枝市文化祭
(藤枝市文化センター・2015年11月)
JR藤枝駅(2015年11月)

 私が初めて花展に出品させていただいたのは、静岡市の料亭『浮月楼』で行われた小原流静岡支部創立80周年記念花展でした。2015年は県展にも参加させていただきましたし、辻先生の社中が藤枝市華道連盟にも所属している関係で毎年藤枝市文化祭での各流派合同の花展にも出展させていただいています。また、JR藤枝駅や藤枝文化センターの流派持ちまわりの挿花にもお当番で参加させていただいています。自分のいけたお花が多くの方の目に触れると思うとワクワクする反面、もっと努力しなければ!と気持ちが奮い立ちます。

藤枝市文化センター(2016年2月)

 静岡支部の青年部は皆さん明るくて優しい方ばかりで、特に研究会の時にテキパキとお世話をしてくださる姿が印象的です。これは代々の先生方のご指導の賜物であり、この素晴らしい教えを私も一緒に守っていかなければと身が引き締まる思いです。この5月には『みんなの花展』が控えています。今年も皆で力を合わせて良い花展を開催できるよう願っています。

育児や介護に全力を尽くし家族を支えた良妻賢母 これからはいけばな指導者として小原流の輪を広げたい

主人の会社の創立100周年記念式典
(つま恋・2014年4月)

 私は大学卒業後、1年間母校の大妻女子大学人間生活科学研究所で助手の仕事に就いたあと、23歳で埼玉県から静岡県に嫁ぎました。主人が遅くに生まれた長男で、舅・姑ともに大正1ケタ生まれという家庭環境のなか、2男2女、4人の子どもに恵まれました。今年で結婚30年、自分で言うのも何ですが良妻賢母を地で生きてきたのではないかと自負しています。
 専業主婦として家族の世話や姑の介護に追われ、3歳から習い始めた趣味のピアノにもほとんど触れることのできない生活でしたが、子どもが多いおかげで中学・高校の部活動では長年父母会活動や遠征・試合の応援を楽しみました。いけばな以外にこれといった趣味はなく、家族第一の生活でしたので「特技は家事」といったところでしょうか。

毎年主人の会社の賀詞交換会会場の挿花をさせていただいています(2016年1月)

 おかげさまで家族の仲が良く、何かイベントがあるごとに一致団結します。現在は子育ても一段落し、介護も福祉の力をお借りすることで自分の時間を多く持てるようになりました。
 また4人の子どもを通してさまざまな方と知り合い、繋がりも増え、去年から長男の中学時代のサッカー部のママ友2人に自宅でいけばなを教えています。「教える」というのは大変難しいことですが、一緒に成長するつもりでゆったりとした気持ちでお稽古をしたいと思っています。この繋がりが少しずつ広まって、掛川で小原流を学ぶ人が増えるとうれしいですし、そうなる様に務めることこそ私の今後のライフワークになるのではないかと思っています。

お正月に帰省した娘夫婦も含め家族で志摩スペイン村へ。ノリの良い家族です(2016年1月)
【藤田 智加子さんに一問一答】
好きな花: 藤(旧姓にも藤の字が入っています。家紋の下り藤、自宅には藤棚もあり、自然と藤の花が大好きになりました。)
好きな作家: L.M.モンゴメリ
好きな作品: 『赤毛のアン』
マイブーム: 昨年、長女がカナダでウクライナ人と結婚しました。今年6月に浜松で披露宴を行うために海外在住の本人たちに代わり準備に追われています。その後、日本で住む予定で都内のマンションギャラリーの見学にも今年すでに10件以上も足を運びました。

藤田 智加子さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、矢井 功子さん(岐阜支部)です。金子さん同様、研修課程T期で出会った矢井さん。研修で何度も参考花となり、1年で全ての課程を合格されるほど優秀で憧れの存在ですが、プライベートでは可愛らしい一面も覗かせる大切なご友人とのこと。どうぞご期待ください。


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