みんなのいけばな

File No.80

金子 鶴代さん 金子 鶴代さん 東京都/東京支部

花がもたらせてくれた 友情と癒しの時間

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」

花の名前を知りたい
という思いから歩み始めたいけばなの道

外資系金融機関でハードなお仕事を続けながら、研修課程や花展にも積極的に参加していけばなの研鑽をつまれるなど、充実の日々を送っておられる金子さん。全てのことにおいて全力を尽くすチャレンジ精神としなやかさを持ちあわされている金子さんに楽しいお話をうかがいしました。

研修課程で得たものは いけばなの技術だけではありませんでした

 井上さんに初めてお会いしたのは、平成26年研修課程T期の大阪・小原流研修会館でした。ホテルを少し早めに出発し、研修会館隣にある坐摩神社に“苦しい時の神頼み”のお参りをしてから控え室に入りました。複数での参加者がグループごとに座ってらっしゃる中、私と同様に1人で地元大阪から参加されていた方とお話ししているうち、少しずつ単独参加の方が集まりだし、最終的に10人ほどのグループになりました。静岡、岐阜、そして北海道、九州と遠方からも参加されている方がおられ「さすが小原流は全国的だなぁ」と思っていたところに井上さんの「シカゴからです」の一言にはさすがに驚きました。
 私が持参した教本や様式集成のコピーを皆さんと見ながら、「傾きは何度」「花材は何かしら」と短い休憩の間にいろいろと予習などをしましたが、井上さんの「シカゴと日本では花材が違うから大変」とのお話に納得するとともに、そのうえ現地で教えてらっしゃるとのことで「なんてパワーのある方なんだろう」と感心いたしました。私も将来的には海外から来日されている方々にいけばなを教えることができれば思っているので、井上さんの日本文化を伝えたいという思いに大変共感いたしました。

お稽古にて(2015年9月)

 短いけれどもとても濃厚な5日間に、なんでも話せる素敵な人たちとめぐり会えて本当に良かったと思うと同時に、このような出会いもあるのだなと驚いています。研修課程でつながった近県の方々とは今も花展で会ったり、旅行に出かけたりしています。シカゴは少し遠いですが、井上さんともぜひまたお会いしたいと思っています。
 研修中は、はりつめた緊張感の中、研究院の素晴らしい先生方が一人ひとりを懇切丁寧に指導くださり、大変勉強になることは言うまでもありませんが、このように貴重な人との出会いもあり人生においてもとても重要なものであると実感いたしました。宣伝をするわけではありませんが、経験者の一人としていけばなの技術を高めるだけでなく得るものがとても多い研修課程により多くの方が参加されるようお勧めしたいと思います。

お稽古にて(2015年2月)

花の名前が10種も思い浮かばない… 今となっては笑い話のような出来事

 私がいけばなを習うきっかけとなったのは、お花の名前を恥ずかしいほどに知らなかったということです。ある日、お花屋さんで「この花は、何ですか?」と何気なくうかがったところ、店員さんが少し笑いながら「ガーベラです」と言われました。ポピュラーなその花の名前は知っていましたが、現物と一致できずとても恥ずかしい思いをし、帰り道あらためて花の名前をいくつ言えるだろうと数えてみましたが10種も言えず、「こんなんじゃダメだ!」とショックを受けてしまいました。そこで長年習っていた茶道とともにお花も習ってみようと一念発起!自宅と職場の間で通いやすい青山に小原流会館があったことを思い出し、ネットで検索。随時参加可能なビギナーズスクールに早速入会しました。

お稽古にて(2015年2月)

 ほめ上手な先生方に単純な私は乗せられた(?)のでしょうか。「これならできるかも!」と思わせていただき、現在に至っております。研修や研究会などだんだんと難易度があがり辛くなることもありますが、それはそれで脳の活性化につながっているのだとポジティブに考えるようにしています。 今となっては、あのお花屋さんでの出来事も良い思い出です。

お稽古中(2016年2月 金子さんは手前黒い服)
東京支部展出品作品(2014年10月)

 東京支部の花展にはずうずうしくも89〜91周年と3年連続で参加させていただき、とてもよい経験をさせていただきました。先生方のご苦労を痛感したり、普段のお稽古では使わない珍しいお花もたくさん拝見できたりととても刺激的です。できれば、花展では、花材の名前も併記していただけると私のような者にはとても助かるのですが…。

仕事の後のお稽古でリフレッシュ 疲れた心を花が癒してくれます

お稽古にて(2016年2月)

 長年金融の仕事に従事していますが、外資系ということもあり、合併や買収、撤退などが度々あり数行転職を経験しました。ここ半年の主な仕事内容は、これまで携わってきた資金決済や海外送金などに加え、資金決済後の事案のマネーロンダリングやコンプライアンスをふまえシステムやWEB等を駆使した調査をしており、今まで以上にパソコンに向かって仕事をする時間が増えています。花はパソコンと同じくものを言わない相手ですが、仕事帰りのお花の稽古は無条件に癒されます。研修を踏まえたお稽古で、「先生からいろいろ教えていただくことをしっかり会得しなければ」と身の引き締まる思いもいたしますがなぜか心が穏やかになることもしばしばで、いけばなに出合えてよかったとつくづく思います。

ウォーキングに歌舞伎 趣味の時間も大切にしています

 趣味はウォーキングです。今までは休日に歩く程度でしたが、今年に入ってからはダイエットのために、雨や雪の日、飲み会の日とお花の稽古日以外は、帰宅後1時間、少し離れた神社と大きな公園を1周して帰ってきます。夜でもジョギングしている人はかなりいらっしゃり励みになりますが、なかなか結果にはつながらず、今のところは良い気分転換になっているというところでしょうか。

ウォーキング中にみつけた蓮の花と巻葉

 ほかに長年はまっているといえば歌舞伎です。中学3年生の時、叔母に連れられていった歌舞伎座で初めて観劇し、「なぜ男の人がこんなにきれいな女形になれるのか」と思ったのがきっかけでした。板東玉三郎さん、片岡孝夫(現、仁左衛門)さん、中村勘三郎さんが贔屓でしたが、勘三郎さん亡き後は、中村獅童さんを応援しています。最近は、長年習っている茶道のお友達とご一緒することが多いのですが、時代とともに役者の世代も変わり若手の活躍がめざましいです。
 小原流も若い宏貴家元のご活躍に、時代が変わっていくことを実感し、これからがますます楽しみです。

お稽古にて(2015年12月)
【金子 鶴代さんに一問一答】
好きな花:
好きな作家: 芹沢 光治良
好きな作品: 「人間の運命」
マイブーム: 今さらですが、『小原流 挿花』を最初から最後まで熟読すること(今までは、お花の写真といけばな講座以外はパラパラっと見て本棚にしまっておりました。すみません)

金子 鶴代さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、26年の研修課程T期で知り合った藤田 智加子さん(静岡支部)です。ご結婚後、嫁ぎ先の静岡県掛川市で家庭をしっかり守りながら、熱心にいけばなに取り組まれているそうです。時折お酒を酌み交わしたり小旅行をするなど、何でも話せる間柄とのこと。どうぞご期待ください。


←File No.79 いけばなじんトップへ
いけばなじん
いけばな教室訪問記
いけばなこども教室
いけばな特派員

いけばな小原流公式サイト



HOME

プライバシーと著作権について