みんなのいけばな

File No.78

神田 涼子さん 神田 涼子さん 鳥取県/倉吉支部

大好きな花と子どもをとおして あらためて知る母の偉大さ

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」

転職・結婚・転居…いつの時もいけばなが
私をポジティブにしてくれました

お母様が小原流を習われていたことから、子どもの頃からいけばなのある生活をあたりまえとして受け入れていたという神田さん。自身もいけばなを学び、子育てをすることで、あらためてお母様の偉大さに気づかされたと言われます。ほんわりした雰囲気を持ちながらも、決めたことは必ずやりとおすという芯の強さをお持ちの神田さんが、いけばなと大切なご家族への思いをお話しくださいました。

柔らかさと熱さをあわせもつ古宮さん 東京で培った様々なご縁は一生の宝物

 2011年1月より新宿の土肥 久栄先生の教室に通うようになり、お稽古初日に先生からご紹介いただいたのが古宮さんでした。古宮さんは私の1級上の資格を修得しておられたので、花の形や寸法などについて話したり、作品を見せていただくなど、楽しみながら学ぶことができました。
 また、古宮さんは柔らかい話し方で、いつも先生のお体を気遣われ、優しい方という印象ですが、いけばなで気になることは納得がいくまで質問されるなどとてもまじめで熱い心もお持ちです。私の作品を見て、「ここがいいよね」「神田さんが花を見ている姿から『花が好き!』と言うのがすごく伝わってくるわ」などと褒めてくださるので、「そんなことないですよ」と言いながらも、普段なかなか人から褒められることがないので本当はとても嬉しかったことを覚えています。お友達や職場の方にもきっと同じように接しておられるのでしょうが、端的な言葉で相手を心地よくしてくださるところがすごいといつも感心していました。

土肥先生の教室にて
正月花・よそおい(2014年12月)

 2012年11月東京支部90周年記念大会に社中一同で出席後、古宮さんを含む仲良し3人で食事をし、仕事やプライベートなどの話をして、とても楽しい時間を過ごすことができました。これを機により一層親しくなり、お会いすることを楽しみにお稽古に出かけるようにもなりました。
 2014年4月、夫の転勤で鳥取へ戻ることになったとお伝えした時には「えー、寂しいなぁ」と言ってくださり、最後の研究会終了後2人でカフェへ行った時も妊娠中だった私のために身体に優しい飲み物のあるお店を事前に調べてくださるなど本当に気の利く方と感心しました。この時もお花や仕事のことなど時の経つのも忘れてお話をしたり、隣接する雑貨屋さんで一緒にお買い物をしたりと本当に楽しくて、この様な時間をもっと作れば良かったなと残念に思いました。
 鳥取に戻り子どもが産まれてからも、メールで写真をお送りするなどのおつきあいを続けています。また上京し、お目にかかりたいと思っています。
 こうして振返ってみると、約3年の東京での生活を楽しく過ごすことができたのは、やさしく的確な指導をしてくださった土肥先生や、心優しい社中の皆さんなど、本当に良い方にめぐまれたおかげと心から感謝しています。

いけばなの奥深さを知ることで 母の偉大さに気づかされました

 現在、倉吉支部 副支部長を務めている母(中瀬 香富)の影響で、物心がついた頃からよくお稽古について行っていました。就職して仕事に慣れた頃「いけばなやってみようかなぁ」との思いつきで何となくお稽古を始めたものの、いざやってみると今まではただキレイと思って何気なく見ていた花が、実は、向き・花材1つにしても奥深く、お稽古のたびに新たな学びがあり、同じ道を志す者としてあらためて母の作品に対し「すごいな」と素直に思いました。

 2015年4月からカルチャースクールで教えている母の手伝いをするようになり、今度は教える側の難しさをまのあたりにしています。母は教えるために学び・調べ、準備にたくさんの時間を費やしていましたが、私自身も生徒さんからの質問にきちんと応えられるように勉強することが肝心だと実感するとともに、あらためて師でもある母の姿勢に頭が下がる思いでいます。

母のカルチャースクールにて 息子を抱っこしながら手伝っています(2015年11月)

 夫の仕事の関係で、これまで鳥取・東京・倉吉と転勤しました。慣れない土地で暮らすことはパワーのいることですが、その先々で小原流の教室を探し、お稽古を続けてきたのは「ただ花をいけるのが楽しくて好きだから」の一言に尽きますし、生涯いけばなを続けることになるだろうと確信しています。また、日々の暮らしの中では、あれこれ考えたり悩んだりしがちですが、いけばなのお稽古で花と向き合っている時間は花のことだけに集中でき、頭や心がリフレッシュされることも日々の頑張りにつながっていると思います。もう1つ、いけばなの魅力としてたくさんの人に出逢い・話し・学び・刺激を受けることで自分自身が成長し、世界が広がったと思います。この先もいろいろな土地で暮らすことになるかもしれませんが、そこでどんな人やどんな花に出合えるかを考えると少しワクワクします。

自宅にて(2015年12月)

若々しく和気あいあいとした倉吉支部 研究会も活気があふれています

 倉吉支部は、2014年創立35周年を迎えたばかりの、まだまだ若い支部です。新たにいけばなを始める方もたくさんおられます。小さい支部ですが、その分コミュニケーションがとりやすく和気あいあいとしていることが良いところです。

倉吉市部創立25周年記念花展
左から私・(故)平井 豊玉先生・関 邦明先生・母・姉(2004年11月 倉吉未来中心ホール)
初めての研究会で優秀花をいただく
(鳥取・2009年7月)

 支部研究会も参加者が多く活気にあふれています。50分間集中していける時間や、採点が終わるまでのドキドキ感さえ楽しく、私も積極的に参加しています。失敗をしても「次はこうしよう」と身をもって学ぶことができますし、もっと良い点数を取りたいと思う力は、さらなる精進への原動力にもなります。研究会といえば忘れられないのは、初めて参加した時に優秀花をいただいたことです。とても緊張していたのでまさかの高得点にビックリしましたが、なにより報告した母がとても驚き、喜んでくれたことが嬉しかったです。私は瓶花がとても苦手で、研究会でも枝がとまらなかったり、少し手直しをしようと思ったらすべてが崩れ、最後の5分でなんとかやり直したなど苦労もしばしばありましたが、いつまでも苦手意識があってはいけないと努力し、最近ようやくコツをつかむことができ、やはり練習を重ねることが何より大切だと身を持って知りました。

鳥取支部みんなの花展
(ホテルニューオータニ鳥取・2009年12月)

 2016年5月には鳥取砂丘で中国地区・青年部野外展が開催されます。社中として出品予定をしており、準備を進めています。「みんなの花展」にも今後は進んで出品し、たくさんの方にいけばなに触れて楽しんでもらいたいと思っています。

子ども好きの私が母となり 毎日が発見と感動の連続です

 卒業後、社会に出て企業に就職したものの、保育士になりたいという夢が諦めきれず、大学の通信教育を受講し、思い切って地元の短大の幼児教育学科に入学しました。18歳の同級生は私より6歳も年下でしたが、あっという間に仲良くなり先生にも年齢差を気づかれないほどでした。ピアノや歌の実技、保育園・幼稚園での実習など、多忙な毎日でしたが、周囲に支えられながら無事卒業し、念願かなって幼稚園に就職。結婚後も転居した東京の保育園で一番手のかかる0歳児・1歳児を担任しました。楽しい反面、大変なこともたくさんありましたが、子ども一人ひとりの成長をそばで見守ることができ、充実した毎日を過ごすことができました。
 現在は、私自身が母親となり、我が子の子育てに時間を費やしています。可愛いという気持ちが一番にあるのは言うまでもありませんが、先生として保育園で子どもたちに接するのと、母親として自分の子を育てるのでは苦労がまったく違い、世の中のお母さん方はスゴイなとしみじみ感じています。母親になってわかったこともいくつもあるので、いつかまた保育士として仕事に復帰することがあれば、今度はもっとお母さんの気持ちに寄り添った保育をしていきたいなと思っています。

鳥取県岩美町 又助池カキツバタの群落(2015年5月)
倉吉市の観光名所・白壁土蔵群
(2015年12月)

 1歳になったばかりの息子も花が好きなのか、家の中や庭にあるいろいろな花に興味津々です。いけてある花を何度も触ろうとして、母に止められる姿を見ては「もう少し大きくなったら一緒にいけられるかな」と今から楽しみです。また、息子は天気予報が好きらしく、NHKのニュースが始まると「てんき!てんき!」とご機嫌になります。どうやら日本地図や晴れのマークが動いたりすることに興味があるようなのですが、今度はそんな姿に「将来は天気予報士になるかもしれないわ」など彼の一挙手一投足に未来を思い描き、楽しい日々を過ごしています。

【神田 涼子さんに一問一答】
好きな花: 石化鶏頭
好きな作家: 西原理恵子さん
好きな作品: 『毎日かあさん』子育ての参考にしています。
マイブーム: 多肉植物・エアプランツを育てること。
自宅で大切にしている多肉植物やエアプランツ(2015年12月)

神田 涼子さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、井上 叡玉さん(鳥取支部)です。現在、アメリカ(シカゴ州)にお住まいの井上さんが、お子さんの夏休みに合わせて実家の鳥取に帰省され、竹内 豊初先生の教室に通われている際に出会いました。帰国に合わせ、大阪で研修を受けられるなど、大変な努力家で、シカゴでは花に詳しいことから他流派のいけばなの催しなどでも通訳をされているとのことです。どうぞご期待ください。


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