みんなのいけばな

File No.71

朝田 豊尚さん 朝田 豊尚さん 兵庫県/姫路支部

「辛い」の先にある「幸せ」に気づかせてくれたいけばなに感謝の日々

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」

周囲の優しさと絆に支えられ
いつの日も前向きでいることができました

今は亡き恩師・ともに学ぶ仲間・大切なお弟子さん等々「かけがえのない人との出合いがあったおかげで今日の自分がある!」とおっしゃる朝田さん。約20年前に不意にリウマチを患われ、とても辛い時期がおありだったとのことですが、その時支えて下さった皆さんのことを胸に、ポジティブかつチャレンジ精神あるのみと明るくおっしゃる朝田さんにいけばなへの思いを語っていただきました。

清楚で真面目な松田さん 20年以上のおつきあいが続いています

 松田さんとは、20年以上前、研修課程を一緒に受講したことが出合いのきっかけでした。大勢いる受講生の中でも、とても清楚でチャーミングという印象が際立っているように思いました。研修期間中はとにかくお花の勉強に関するお話をずっとしていらっしゃるほど真面目で「お互い目標に向かってがんばりましょう」と励まし合ったことを今も鮮明に覚えていますので、2013年に松田さんが研究院講師になられたとの連絡をくださった時は、自分のことのように大喜びしました。また、毎年ご家族の写真入りの年賀状をいただくたびに、お花と向き合い、有意義な時間をともに過ごした時のことを思い出しています。

 神奈川・兵庫と距離が離れているため、残念ながら中々お会いする機会が持てませんが、創流120周年記念花展の会場で、出会った頃と少しも変わらない松田さんとお会いすることができ、とても嬉しかったです。近い将来、講師として支部研究会へ指導にお越しいただける日が来ることを楽しみにしております。

いけばなが縁で出合った恩師と仲間 常に前向きでいられるのは皆さんのおかげです

 高校入学時に始めた茶道の先生がたまたまいけばなも教えていらっしゃると知り、習い始めたのが小原流との出合いです。数年後、先生のご主人が転勤されることになり、その先生の恩師で、当時、姫路支部三代目支部長だった戸田豊玉先生をご紹介いただきました。戸田先生は華道に関するさまざまなことを私に教えてくださり、いつも「大丈夫!大丈夫!」と言いながら、数々の助言とともに背中を“ポン”と優しく押してくださったことが、心の支えとなり、今の私があると思っています。先生が亡くなられて早や12年の月日が経とうとしていますが、私にとっては、かけがえのない出合いであり、一生忘れることのできない大きな存在だと思っています。


いけばな神戸展 出品作品(大丸神戸店 2012年4月)

 30代後半に体調を崩し、花の茎を切ることさえ辛く、研究会で花をいけることが困難なのではないかという時期がありましたが、四苦八苦している私のそばにそっと来て、体調を気遣いながら、「お花切るから言ってね」と、ご自身も同じ時間に受講しないといけないにもかかわらず声をかけ、花を切ってくださる先生がいらっしゃいました。このように励まし支えてくださる方々とめぐりあえたおかげで、私は人の優しさや絆を感じながら、心折れることなく、前向きに明るく歩んでこられたのだと思っています。現在も完治したわけではありませんが、病によって何ものにも代えることのできないすばらしい宝ものを得ることができ、お花を続けていて本当によかったと感謝してやみません。

 「辛」という字は一本足すと「幸」という字になります。辛いことがあっても“しあわせ”の一歩手前なのだと思えば力が湧いてきます。私一人は小さな力でしかありませんが、皆様への恩返しの意味も込め、つらい方のそばで寄り添うことができるよう歩んでいきたいと思っています。

造形作品にも積極的に取り組んでいます 多方面への出品は「学び」につながると実感

 1998年に『挿花』8月号“季節の視点”として、作品出品の依頼をお受けしましたが、作品をつくり、撮影するという初めての経験に、とても緊張したことを覚えています。


『挿花』1998年8月号 掲載作品

 


いけばな新進作家展 出品作品(2003年9月)

 他にも作品にまつわる思い出として、1998年から12年間、「新進作家展」や、「神戸ビエンナーレ2013」にも出品の機会を与えていただいたことが、私の作品作りにおいてさらなる学びの場となりましたことに感謝しています。

 


神戸ビエンナーレ2013 合同作品(2013年11月)

 姫路支部では、準幹部・幹部を経て、現在は副支部長3期6年目を務めさせていただいております。2015年1月11日には支部創立50周年・青年部設立25周年を迎え、宏貴家元による特別講習会や祝賀会を盛会のうちに無事終えることができ、支部役員・会員一同ほっとしております。


支部新年総会。青年部部長OG(2014年1月)

 


いけばな神戸展(大丸神戸店 2006年4月)

 2015年は、4〜5月「姫路城グランドオープン祝賀イベント・好古園リレーいけばな展」に幹部役員が出瓶、6月開催の「みんなの花展」は、役員が設営・準備等すべてを執り行います。また9〜11月開催の「神戸ビエンナーレ2015」にも出品予定です。

 


みんなの花展 出品作品(2013年3月)

 こうして振り返ってみますと、とにかくお花が好きで、いけばなに関しては苦労を苦労と感じることもなく歩んできました。指導者となった今も、お稽古でお弟子さんの笑顔を見て、おしゃべりをするひとときが、ただただ楽しく、私の宝物の“ひとつ”だと思っています。

 

チャレンジ精神を持ち続け 一つ一つの事柄と大切に向き合っていきたい


姉に教えてもらいながら制作した押絵
(2013年12月)

いけばな以外の楽しみのひとつに、押絵をしている姉とともに「時代物の古布を求める小さな旅」がありますが、行く先々で古布の時代背景にどっぷり入り込み、ゆっくり丁寧に、時を刻むことの大切さを肌で感じることができる静かな時間として大切にしています。

 切り絵は、節句のお花のお稽古で鬼の切り絵を作ったことがきっかけで始めました。平面の切り絵を組み立て立体的にしていくのが、とても面白いのですが、立体作品は皆さんにさしあげてしまい残念ながら手元に残っていませんし、平面作品は“障子の破れ隠し”と化してしまっているような状態です(笑)。

 


立体の切り絵。慌てて作ったのですが鬼だとわかりますか?(2015年5月)

 


自作の切絵(2015年5月)

 いろいろなことにチャレンジしたくなるのは、元来、私の癖のようなものなのかもしれませんが、二胡も音色に癒され、好きで習っていましたが途中で断念。今さらながら、何においても心と体のバランスを融合させなければ結果は出ないということに気づきました。とはいえ、何かにチャレンジしたいという好奇心はいまだ衰えることはありません。体調もまだ万全とは言えませんが、日々感謝の心を持ちつつ、一つ一つのことに大切に向きあっていきたいと思っています。

【朝田 豊尚さんに一問一答】
好きな花: 桜・椿
好きな作家: 孔子
好きな作品: 『論語』
マイブーム: メダカ
友人から小さな命を受け継ぎました。大切に育て、また次の命へつなげたいと思います。とてもかわいいですよ。

朝田 豊尚さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、研修課程時代に一緒に勉強した仲間のお一人、山下 惇子さん(札幌支部)です。研修ではほとんどの作品に“参考花”の札が立つほど美しいお花をいけられるそうで、いつも優しい声で母心をくださる愛情深い方とのことです。どうぞご期待ください。


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