みんなのいけばな

File No.70

松田 光美さん 松田 光美さん 神奈川県/湘南支部

大好きなお花の“プロ”として生きる道を邁進します

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」

あたりまえのように家を飾っていた花が
“好き”から“その道のプロ”を志すことに

幼少の頃より家にはかかさず花が飾られており、「とにかくお花が好きだった」とおっしゃる松田さんは、小原流と出合うことで、いけばなのプロの道に進まれる決心をされたそうです。高校のクラブ活動やビギナーズスクールでの指導を通じて、教える喜びと厳しさを痛感しながらも、よりよい指導者となるため、日々明るく、地道に努力を続けていらっしゃいます。そんな松田さんにいけばなへの熱い思いをおうかがいしました。

ビギナーズスクールの講師仲間としてだけでなく よき相談相手でもある滝口先生

 滝口先生とのお付き合いは、2009年4月、青山のビギナーズスクールで同じ曜日を担当したことから始まりました。お花とともに仕事のキャリアも重ねられ、何ごとにおいても真剣に取り組む方という印象をもちました。実際、スクールでも、生徒さん一人ひとりの細かなところまでしっかりフォローしてくださるなど、とても頼りになる存在です。

 現在も同じ曜日を担当することになりましたので、毎週お目にかかり、お花の話はもちろん、滝口先生のお好きな歌舞伎のことなど、さまざまな話題で盛り上がっています。また、お互いの花展を行き来するなど、よき相談相手としても楽しくお付き合いをさせていただいています。


藤沢華道協会諸流展 出品作品(2012年9月) 

花のある家庭で育ち、自然と花が好きに 研修課程受講が人生の転機に


恩師の木村明光先生と(2014年2月)

 いけばなを始めたきっかけは?と聞かれたら、単純に「花が好きだから!」の一言につきると思いますが、花嫁修業のつもりもあったかな?と今になっては思ったりもします。「ハレの日」はもちろんのこと、普段も欠かさず花をいけるような日本の伝統を大切にする家庭で育ち、学生時代もいけばなクラブで活動していましたが、小原流と出合ったのは、社会人になり勤務先の華道部に入ったことがきっかけでした。そこでご指導されていたのが、恩師の木村明光先生で、あまり真面目ではなかった私をいつも温かく、時には厳しく、そして諦めずに導いてくださいました。常に行動的でいらっしゃる木村先生は、私の憧れでもあり、これからもずっとお背中を見つめ、あとを追いつづけたいと思っています。

 ところで「私も家にお花をいけられたらいいかな」程度に思っていけばなを始めた私がプロの指導者になりたいと思い立ったのは、研修課程に参加したことがきっかけでした。
 当時、会社員として、仕事が面白くなり、責任のある仕事を任されるなど、やりがいを感じていたある日、上司から「今の社会では、女性が活躍するのは、まだまだ難しい!」と言われ、「一生仕事を続けたい」と思っていた私ががく然としていた時、研修課程に参加されていた木村先生からお声かけをいただき、師弟で研修に参加させていただくことになりました。そこで、実技はもとより、いけばなの歴史や美学などの新しい世界を知り、いけばなにすっかり魅了されてしまいました。

   
木村社中・松田社中 新年会にて講師就任祝い(2014年2月)

 また、お花はいきがいだけではなく、良いご縁をももたらせてくれ、支部青年部発会メンバーの一人であった主人と出会い、娘にも恵まれました。子育てをしながらのお稽古は時間的にも限られ、思うようにできないこともありましたが、今になって思えば、子どもを持ったおかげでママ友達のいけばなサークル(もう13年目になりました)や、小学校での伝統文化いけばなこども教室など、かけがえのない出会いの場を与えられ、成長させてもらうなど、私にとってはやはり良かったことの方が多かったように思います。
 研修課程修了後、木村先生は順調に講師になられましたが、私は結婚、出産と寄り道を続け、2013年ようやく講師試験に合格することができました。こうして、今の私があるのも、家族・先生・社中を初めとする方々が支えてくださったからこそと感謝の気持ちでいっぱいです。

 
娘の小学校での「伝統文化いけばなこども教室」にて(2009年2月)

 2014年、湘南支部は40周年・青年部は設立20周年を迎えました。
 私は青年部・初代部長を務めさせていただきましたが、1993年1月の発会式で、古作厚子先生の舞台花挿花のお手伝いをさせていただき、メンバー全員で壇上にあがった時の感動は生涯忘れることができないでしょう。


青年部発会式にて(1993年1月)

 また、青年部のメンバーとなったことで、他の社中や他支部との交流で仲間が増えるなど楽しい経験がたくさんできましたが、なかでも青年部が毎年パフォーマンスを行なう支部の新年会で、1998年「サザエさん」を演じて会を盛りあげたたことは特に印象深い思い出となっています。


湘南支部新年会にて「サザエさん」(1998年1月)


湘南支部創立40周年花展にて
青年部発会から親交のある先生と
(2014年5月 遊行寺)

 1998年に支部幹部となり、現在も支部運営のさまざまな仕事に携わっておりますが、支部40周年式典の席上で、理事長じきじきに本部表彰をいただくことができ大変感激いたしました。

“高校のクラブ活動”“ビギナーズスクール”どちらも私にはかけがえのない宝です

 神奈川県立横浜桜陽高校華道部での指導も2015年で10年になります。毎年夏に行われているいけばなの甲子園とも言われる『小原流 学生いけばな競技会』では、2010年から団体戦5連覇を達成中ですが、普段の部活動ではのんびり楽しく花をいける生徒たちが、大会では驚くほどの力を発揮することに、毎年感動しています。2014年第10回大会では、優勝の副賞として、小原流創流120周年記念花展に出品させていただくという光栄を賜りましたが、見事に作品を仕上げた生徒達は「緊張したけれど、こんなに大きな花展に参加させてもらえて、すごくいい経験ができた」と大喜びで指導者としても感無量でした。大会を目標として、生徒たちが一つにまとまり大きく成長していく姿に喜びを感じるとともに、私も一緒に成長させてもらっているようで、本当にうれしく思っています。


神奈川県立横浜桜陽高校華道部 文化祭にて(2014年10月)

第10回学生いけばな競技会 団体優勝(2014年8月)

 もう1つ、私に指導者としてのたゆまない資質の向上が必要なことを気づかせてくれているのが、ビギナーズスクールでの指導だと思っていますが、こちらは、2002年開校時に助手としてスタートし、2005年からは講師を務めてさせていただいています。毎週さまざまな生徒さんとレッスンをとおして関わることにより、本部教室の指導者としての責任と自覚を持つことの厳しさを教えられました。これからもより多くの生徒さんに、いけばなの楽しさをお伝えできるよう、努力していきたいと思います。

造形にも真剣に向き合い いつかは自分のいけばなをうみだしたい


2007年マイ・イケバナ KK氏賞受賞作品

 学生時代、演劇部に所属していたこともあり、舞台や映画を観賞することが大好きです。また、美術館で絵画や造形作品を観るのも好きですから、自然と「造形いけばなにも挑戦しよう!」と、研修スタート時から「マイ・イケバナ」にも出品しています。支部青年部の発会5周年記念として『“Shonan-wave”ミニ・マイイケ』と題した造形展を行ったこともありますが、いけばな同様、造形も奥が深く、悪戦苦闘の繰り返しで「自分のテーマを見つけることができるまでは!」と、現在も奮闘中です。
 こうして考えてみると、ひとつのテーマにそって“ものを創る”という意味において、舞台・映画といけばなには相通ずるところがあるように思います。


藤沢華道協会諸流展 出品作品(2004年)

 研究院講師として新たなスタートラインに立った今、初心を忘れず、出会いを大切に、心のある指導をめざして、いつの日か「これが私のいけばな」と思える作品をうみだせるように、これからも日々努力し、前進しつづけたいと思っています。

【松田 光美さんに一問一答】
好きな花: 真紅の薔薇
好きな画家: モネ、カシニョール
好きな作品: モネ『印象 日の出』
マイブーム: スマホに変えたばかりで、使い方を勉強中(一緒に変えた娘に教えてもらっています)

松田 光美さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、朝田尚子さん(姫路支部)です。体調を崩されて大変だった時期もいけばなを続けられ、今は副支部長として活躍されており、明るく前向きで、周囲への心配りも素晴らしい方とのことです。どうぞご期待ください。


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