みんなのいけばな

File No.58

山田 豊峰さん 山田 豊峰さん 大阪府/大阪支部

師と出会い、ほめられたい一心で、気づけば40余年 仲間との絆に支えられながら「初心を忘れず」努力し続けます

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

お母様のお花のお稽古先に付いて行かれたことが、いけばなを始めるきっかけとなられたという山田さん。若い頃から教授者として活動し、キャリアを積み重ねてこられましたが、人知れずご苦労もあったようです。尊敬する恩師の支えや自身を師事してくれる生徒さんあってこそと語る山田さんのいけばな人生をご紹介いたしましょう。

大滝さんの魅力に一目ぼれ 今やかけがえのない友人になりました

 大滝さんとの出会いは約23年前。研修課程T期の初日、私は大阪支部ですから研修会館は馴染みということもあり、それほど緊張もなかったのですが、大滝さんは初めての来阪で心細げに立っておられましたので、思わずお声をおかけしたのがきっかけです。

 大滝さんはとても清楚で気品がありながら、明朗活発さも兼ね備えられていたので好感を持ち、一目で好きになりました(笑)。それ以来、かけがえのない友人だと思っており、きっとこれから先も変わることなく、一生お付き合いさせていただきたいと思っています。

 大滝さんが研修会館の家元教室に来られる時は、毎回お茶か夕食を共にしたり、メールや電話はもちろんのこと、花展にもご一緒しています。以前、大阪府吹田市の万博記念競技場でガンバ大阪対大分トリニータのサッカーの試合が行われた時、次男(現在中3男子)も連れていっていただいたことがありましたが、なんと私たちの分までトリニータサポーターのユニフォームをご用意くださり、試合中もずっと立ちっぱなし飛びっぱなしでヘトヘトになるまで楽しんだことが印象深い思い出です。それ以来、我が家はトリニータファンになりました。


家元教場にて(2012年10月 大阪研修会館)

 いけばなじんでは前々回(No.56)に登場された佐々木泉鳳先生とも親しくさせていただいています。2014年3月、福井市の養浩館庭園でおこなわれた花展にも伺い、素晴らしい作品を拝見し至極の時間となりました。帰路、永平寺(曹洞宗大本山)へ立ち寄り、家族とも楽しいひとときを過ごすことができました。


養浩館にて、佐々木先生とともに(2014年3月)

養浩館花展後にお参りした
永平寺にて家族と(2014年3月)

母のお稽古に付いていった小学生時代 先生にほめていただきたくて続けてきました

 母が習っていた未生流の先生がお引っ越しをされたため、月参りに来られていた曹洞宗の尼僧さんの元でお茶とお花を習うことになり、1年生で一人っ子だった私も連れていかれたのが、花との出合いでした。しばらくは母のそばで見ていただけでしたが、4年生の時、先生に「やってみますか」と言われ、初めてはさみを握ったところ、すぐに型どおり入れることができ、「上手」とほめていただいたことがきっかけで正式にお稽古することになりました。あれから40年以上もいけばなとお茶を続けてこられたのは、最も尊敬する師匠、鳳字寺の西木弘禅先生の存在があったからこそです。お茶での資格は「皆伝」と、教授者の最高峰をいただいており、88歳を迎えられた今でも現役で、お茶のお稽古をつけてくださっています。お花のお稽古では私が助手を務めさせていただいていますが、先生のおかげで今の私があると感謝の気持ちでいっぱいで、これからも初心を忘れず、頑張っていこうと思っています。


お茶のお点前中。西木弘禅先生(左端)とともに(山田さんは一番手前)

お茶室 お花のお稽古もしています

 20歳の時に西木先生にお声をかけていただき、栗東寺で大学の友人数十名を集めて教え始めました。私がお花を、母がお茶を担当しました。その頃はまだ三級…我ながらよく頑張れたなと思います。
 その頃、母が愛読していた『挿花』で“研修課程”という文字を見つけ、西木先生にご相談したところ、故・泉谷豊宣先生をご紹介いただき、教えを請うことになりました。それから研修T期にも入講。「上手になりたい」「いつかは泉谷先生にほめていただけるようなお花をいけたい」と必死で、出産してもお休みすることはまったく考えませんでした。家族、特に主人は私にお花以外のことができるとは思っていなかったようで、家事も期待されず、子育ても母と二人でしたようなものです。研修士にもなれ、教授者としても30年余り、休む機会がなかったのは大切な生徒がいたからだという理由もあります。当初から通い続けてくれている岡田さん、大学時代から15年以上になる田渕さん、押条さん、栗原さん、河村さんなどなど、皆に支えられてここまで来ることができました。

 

若い頃は緊張からか 過換気症候群にも悩まされました

 今では考えられませんが、教え始めた頃は、緊張からか神経を異常に使っていたのか、稽古場で具合が悪くなり、何度か救急車で運ばれたことがあります。診断は「過換気症候群」。呼吸が速くなり、過呼吸になった結果、手足のシビレが起こりました。救急隊員が「この症状が出るのは27歳までですよ」とおっしゃったのですが、本当に27歳以降はまったく症状が出なくなり、安心いたしました。
 暑い中、皆さんと青年部花展を見学に行った帰りに食事をしたり、新年初会の帰りにお茶をしたことなど、楽しかった思い出はすべて生徒たちと過ごしたことばかり。

 7年前から担当させていただいております伝統文化こども教室では、のべ300名以上の子どもたちがいけばな体験をしてくれました。年に1度発表会を開くなど、みんなの花展的な取り組みを行ってきたおかげか、口コミで輪が広がり、今年は7年目の子を筆頭に、約80名の子どもたちがお稽古をしています。この伝統文化こども教室にも生徒がお手伝いに来てくれ、ありがたい限りです。


伝統文化こども教室の風景(2013年1月)

伝統文化こども教室発表会での集合写真(2014年3月)

新進作家展 (2012年9月 心斎橋大丸北館)

 新進作家展では、セロファンを8万枚切って作品を作成しました。クーラーをつけた部屋では風向きでセロファンが飛んでいきますが、それを切ると今度は汗で身体にまとわりつくし、毎日毎日大変でしたが、生徒も切るのを手伝ってくれ、出来栄えはどうであれ、思い出深い作品となったのは間違いありません。

 
 

凛花スクールの生徒さんとともに開校5年に
なりますが、当初から来てくださっている
生徒さんです

 現在、大阪支部では、尊敬する先生のお一人、吉田豊貞支部長のもと、幹部をさせていただいています。研究会では、たくさん95点が出るよう願いながら、会員の皆様が受け取る点数書きを務めています。あわせて年金係もしておりますが、最近は少し慣れて後輩幹部の皆さんと和気あいあいと楽しく仕事をさせていただけるようになりました。
 他にも、いけばなを始めてうれしかったことといえば、凛花スクール(小原紗容子校長)の講師の一人になれたことです。今は月曜日昼と火曜日夜を担当しておりますが、おしゃれで居心地の良い空間ですので、皆さんも、ぜひ遊びにいらしてください。

一点を見つめる集中力と達成感 いけばなとゴルフには共通点があります


咲いた、咲いた、さくら展 出瓶作品
(2009年3月 旧・心斎橋そごう)

 趣味は大学時代からたしなむゴルフ。体力と時間に余裕があるならば本コースに行きたいところですが、何せ筋肉痛が辛く、最近ではもっぱらショートコースを楽しんでいます。まず最初にボールを一心に見つめるというところがお花と同感覚。一打打つたびにはさみを入れる気分です。失敗と感じた時のグリーンは遠く、バンカーに入った時には最悪な気分になりますが、コロコロという音を鳴らしてカップに入っていくボールは何とも心地良いものです。きっとその音を聞くために私はゴルフに行っているのだと思います。まずは集中力、そして全体感覚。何よりも達成感を求めるという所がいけばなに通じているように思います。そして芝の気持ち良さ。緑っていいですね。やっぱりどちらもやめられそうにありません。

【山田 豊峰さんに一問一答】
好きな花: ひまわり、グロリオサ、紫陽花
好きなミュージシャン: サザンオールスターズ
 好きな作家: 松本清張、最近のお気に入りは百田尚樹
 好きな画家: フィンセント・ファン・ゴッホ
好きな作品: サザンオールスターズ『JOURNEY』『白い恋人達』
百田尚樹『永遠のゼロ』(偶然にも大滝さんと同じです)
ゴッホ『ひまわり』
マイブーム: 少し時間ができたら、海や山へ行き、家族でバーベキューをします。冬の海ですき焼きや鍋をすることもありますが、極寒の中の温かさはなかなかオツなもので、帰りに温泉でホッコリというのが至極の楽しみです。

山田 豊峰さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、村上 茂登子さん(新居浜支部)です。山田先生の生徒さんの叔母様にあたり、愛媛から大阪に転居され、10年ぶりにお稽古を再開されたことがきっかけで、お知り合いになりました。ユーモアがあり、新居浜支部の運営にもご尽力されるなど、多方面でご活躍とのことです。どうぞご期待ください。


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