みんなのいけばな

File No.46

宮脇 藤薫さん 宮脇 藤薫さん 東京都/東京支部

忘れがたい恩師との出会いから学んだ日々 仲間との絆に支えられながら、さらに一歩前へ

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

 お母さまのいけばなを見て育ってこられた宮脇さん。大学卒業後にお稽古を始めて以来、ご主人の転勤などを機に4名の師と出会い、多くの人々に触発されながら、いけばなと向き合ってこられました。
 大切な恩師の死を乗り越え、さらに前へと歩みつづける宮脇さんに、これまでのいけばな人生を振り返っていただきました。

穏やかで物腰の優しい加茂さん いけばなへのあふれる情熱にも感銘しました

 加茂さんとの出会いは2010年の研修課程T期初年度の時。ホテルで朝食時に同席となり、初めてお話しました。加茂さんはよく参考花の札が立っていたのでお名前を憶えていたというのもあり、私から話しかけたのではなかったでしょうか。
 第一印象は、笑顔で優しくお話しされる、物腰の柔らかい方。加茂さんは横浜、私は東京と近いこともあり、研修・考査終了後は新幹線もご一緒し、小原流を始めたきっかけから、研修に参加した動機など、あれこれうかがいました。穏やかで優しい口調は第一印象そのままでしたが、その中には加茂さんのいけばなへの情熱があふれており、お聞きしながら深く感銘を受けたのを覚えています。

 その後は、こちらの花展に来ていただいたり、地区別教授者研究会でご一緒したりするなど、研修以外でもお会いする機会に恵まれました。また折にふれ、メールで連絡を取り合っていますが、ここしばらくはお会いする機会がなく残念に思っています。

お世話になった4人の先生から いけばなの楽しさをたくさん学びました

 大学卒業後、小原流を学んでいた母のすすめで母の親先生である高知の故・藤田智恵子先生のお教室に通いはじめ、不定期ではありましたが、大変楽しく学ばせていただきました。間もなく結婚、上京が決まり、藤田先生から「東京ならぜひ!」とご紹介いただいたのが後藤昌弘先生です。遠方から通われる先生方や研修にも参加なさっている先輩方などが多いお教室で、ベテランの方々のお花を拝見するのも楽しく、たくさん勉強させていただきました。

 その間5〜6年ほど主人の転勤の都合で大阪で暮らしましたが、後藤先生から俣野豊瑞先生をご紹介いただき、自宅から5分ほどという大変近いお教室で勉強を続けることができました。俣野先生はとてもお綺麗なのにさっぱりしたお人柄で優しく、丁寧なご指導で、同性としても憧れの方です。
 その後、再び東京に戻って後藤先生のご指導をいただくことになり、先生が他界される2011年12月まで、的確なご指導でいけばなの楽しさ、小原流いけばなの奥深さなど本当にたくさんのことを教えていただきました。後藤先生とのご縁があったからこそ、こんなにも長くいけばなを続けられたのだと心から感謝しています。
 そして現在は、ずっとお力添えをいただいてきました蛭田藤虹先生にご指導をいただいています。明るく温かい雰囲気の中、分かりやすく丁寧なご指導で、楽しく学ばせていただいています。


お稽古の風景 (右から2番目:蛭田先生、右端:宮脇)2013年4月

カラーに泣かされた支部花展の思い出 後藤先生は努力の大切さを教えてくださいました

 後藤先生のお教室に通い始めた頃は、自分もいつかベテランの先生方のような花をいけられる日が来るのだろうかと気が遠くなる思いでしたが、初めて写景や琳派に挑戦し、大きな器でいけることができた時は本当にうれしかったです。
 先生はすっとためたり、留めたりと、まるで魔法のようにお花を操られました。真似てみてもポキッと折れたり、なかなか留まらない。そんな時、ちょっと手直しをいただくと、作品が見違えるほどよくなります。先生には「習うより慣れろ」という言葉を教えていただきました。そして、たくさんの花をいけ、努力することの大切さを学びました。
 先生との思い出の一つとして、東京支部花展に出品した「一種挿し」コーナーのカラーの作品の苦労があります。茎をきれいにためることの難しさに加え、少量の水でも器の中で水が揚がって茎が弾け、大変だったのです。毎朝、後藤先生に助けていただきながら手直ししましたが、このカラーとの悪戦苦闘も今となっては良き思い出です。


東京支部花展「一種の魅力」2004年

 まだまだチャレンジ中の私ですが、先生に背中を押していただいて研修課程に参加するようになってからは、さらにお稽古に張りが出てきました。各地から来られた方々と交流し、良い仲間と巡り会い、助けられて、ハードな中にも楽しみの多い研修に参加できているのだと思っています。

いけばなにも通じるヨガやフラメンコ 花を通じた出会いやご縁に感謝しています


フラメンコ発表会 1998年4月

 最近の楽しみの一つに、お稽古で残った花材をベランダのプランターに植えて育てることがあります。植えたところから芽が出たり花が咲いたり、大きくなっていくのを見ると何ともいとおしく、家族と季節の移り変わりを味わっています。近頃では、私に任せておけないと(笑)、もっぱら主人が毎朝水やりをしてくれるほど。大事に育ててくれていて、とてもうれしいです。

 いけばなを離れると体を動かすことが好きな私は、小学校ではフットベースボールチーム、高校ではソフトボール部に所属し、それ以降はスキーやゴルフなども楽しんできました。大阪在住時代にはフラメンコにもはまり、何よりレッスンを最優先するほど夢中になり、年に一度の発表会で舞台に立つのが楽しみでした。現在は、仕事と家事に追われ、お稽古事はいけばな一本ですが、時間がある時はスポーツクラブでヨガやピラティスをし、ごくたまにゴルフも楽しんでいます。フラメンコは表現することで自分と向き合い、自分を解放できます。ヨガも自分と対話しながら集中することで心身ともにリフレッシュさせてくれます。これらは、どこか「いけばな」に通じるものがあると思っています。


社中での研修旅行「南楽」への途中
(左端:後藤先生、前列右端:蛭田先生、
後列右端:宮脇)

 旅行も好きなことの一つです。海外旅行では、知り合った外国の方から必ずといっていいほど「何かやっているのか?」と質問されます。外国の方々は日本の文化に興味津々なのです。そんな時、いけばなはコミュニケーションに一役買ってくれます。

 後藤昌弘先生のお社中では、折にふれて研修旅行やお教室で先生の講習会などが行われ、先生、先輩方、仲間との交流が深まる素晴らしい機会があり、お花やお稽古がますます楽しくなっていったように思います。浜松の花博に行ったり、伊豆下賀茂温泉“花のおもてなし「南楽」”に泊まってお花をいけたり、「秋をいける」講習会などに参加したことも深く印象に残っています。



「南楽」にお社中でいけた作品の一部(3作品とも)

浜松花博 (後列左から2番目:後藤先生、4番目:蛭田先生、5番目:宮脇)2004年6月

東京支部創立90周年記念花展(方寸コーナー)
2012年4月

 こうして思い返してみますと、習い事の中でいけばなが一番長く続いているのは、いけばなのご指導はもとより人間的にも尊敬できる素晴らしい先生方や社中の先輩方、仲間との出会いがあったからなのだと思います。いけばなを通じて生まれたご縁に本当に感謝しています。また、小原流を続けることを理解、応援してくれる母や主人の存在にも感謝です。まだまだ未熟者ですが、先生方から教えていただいたことを、私も若い方々に伝えていくことができればうれしく思います。

【宮脇 藤薫さんに一問一答】
  • 好きな花/オンシジウム、クレマチス
  • お気に入りの作家/宮部みゆき、奥田英朗
  • マイブーム/自宅から見える富士山の写真を撮ること。毎朝、窓を開けて富士山が顔を出しているかチェックし、見えるとラッキーな気分で一日が始まるのです。

自宅から見える富士山

宮脇 藤薫さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、天野 良枝さん(広島西支部)です。気取りがなく気配り上手で、回りの空気まで明るくなるようなバイタリティに溢れている方で、魅力的なお花をいけられるそうです。どうぞご期待ください。


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