みんなのいけばな

File No.45

加茂 清一さん 加茂 清一さん 神奈川県/横浜支部

小原流いけばなには独特の奥深さと美しさがある  自然から学び、独創性を追求する「いけばなじん」をめざします

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

 いけばなの美しさに惹きつけられる男性が増えています。加茂さんもそのお一人。学生時代にアルバイトで花の魅力に触れ、小原流いけばなに出合ってからは、社会人として仕事に邁進しつつ、いけばな教授者への道にもひたむきに精進されています。そんな加茂さんに、これまでの道を振り返りつつ、今後の夢を語っていただきました。

出身地の支部で活躍される 田渕さん厳しい研修課程を一緒に乗り越えました

 2010年7月の研修課程T期で、たまたまお近くに座っていらっしゃったのが田渕さんです。名札を見て、私の出身地である浜松から来られていたのを知り、思わず声をかけさせていただき、地元ネタで大いに盛り上がりました。「優しい方だなあ」という印象とともに、時折出てくる浜松弁に懐かしさや親しみも感じました。とにかく、過酷な研修課程を、お互いに励まし合うことで乗り切れたという思い出があります。その後はメールで結果や近況などのやり取りをさせていただいていました。


「花笑」第21回横浜華道協会新進作家展 出品作品(2011年8月 横浜島屋)

花屋のアルバイトからいけばなの道へ 就職後、本格的に花の勉強を開始

 大学時代、自分の力で何かを創り出す仕事に憧れ、アルバイト先を探していた時に、たまたま見つけたのが花屋の求人でした。花の水上げに始まり、花束やアレンジメントづくり、配達も担当していましたが、初めて自分で作ったアレンジメントが売れた時のうれしさは今でも覚えています。花束を見たお客様から「きれい!」と言っていただけることが本当にうれしく、夢中で作っていました。気がつけば、大学2〜4年生までの3年間、ずっとそこで働くことになりました。

 大学卒業後、一般企業へ就職の道を選びましたが、やはりお花のことが忘れられず、当時住んでいた家の近くに小原流の教室があったので、軽い気持ちで入門しました。そこでお稽古を続けるうちに、いけばなの魅力と奥深さにどんどん引き込まれ、その後、徐々に指導者になりたいという思いが強まり、自分自身のレベルアップをめざして本部での研修課程を受けるようになりました。

 入門当時は東京に住んでいたので、増田 三鈴先生の教室に通っていました。基礎をしっかりと教えてくださった増田先生には、今でもとても感謝しています。その後、横浜転勤となり仕事も多忙になったため、一旦お稽古を中断しましたが、やはりいけばなが好きで、1年後に再開。そこで、横浜支部長の井上香瑛先生の教室に通わせていただくことになりました。井上先生の教室では、お稽古に来られる先生方のハイレベルなお花に感動し、自分の未熟さを痛感しました。先生には常に厳しくも温かいご指導をいただき、ムードやオリジナリティを大切にすることなど、いけばなの奥深さや美しさを学ばせていただいています。先生はダメな時ははっきりと「ダメです!」とおっしゃいますが、いい時は「きれいねー」「いいねー」と手放しでほめてくださるので、とてもうれしく思います。


お稽古の時の写真

老人ホームでボランティアを2年間経験 横浜支部の研究会へも積極的に参加しています


横浜華道協会名流展 出品作品
(2012年4月 横浜島屋)

 日々のお稽古だけではなく「どこかでもっと花をいけたい」という願望があり、2010年から2年間、自宅近くの老人ホームでいけばなのボランティアをさせていただきました。花をいける機会が増えることは勉強になりますし、お年寄りの方にお花で季節を感じて喜んでもらえればと考えたからです。ほぼ毎週通わせていただきましたが、お花をいけている時に、入所のお年寄りの方々とお話しができ、楽しい時間を過ごすことができました。

 花展へも積極的に出品するよう心がけています。いけ込みをする時は、どんな作品になるか不安な気持ちになる時もありますが、普段のお稽古では使えない花材を扱えるのが楽しく、とにかく一回でも多く出品することが経験となり、勉強になると思っています。また、井上先生からアドバイスをいただきながら臨んでいることが何よりも安心感につながっていることに感謝しています。

 横浜支部には、“明るく・元気で・研究熱心”な先生がたくさんいらっしゃいます。支部研究会では井上先生の発案で、コーヒーカップやパフェグラス、空瓶など、生活に密着した器を使いつつオリジナリティを大切にした作品づくりや、エンゼルヘアーを朝靄のように見せてみたり、ブロッコリーを使った写景が課題になったりと、いつも楽しいエネルギーに満ちあふれています。
 「みんなの花展」でも、器に装飾を施したり、小さな虫を作って花とコラボレートさせてみるなど、井上先生のお考えになることは本当に独創的で展覧会はいつも、驚きと感動でいっぱいです。

自然を感じられる散歩が大好き 将来は指導者としての夢を実現したいです

 今、花をいける以外に好きな時間と言えば、妻と一緒に近所の公園を散歩したり、ハイキングに出かけたりすることです。散歩の魅力は何といっても季節を感じられるところです。春先には梅の名所で知られる大倉山公園が我が家の近くにありますし、散歩の道中、見知らぬ家々の庭で丹精込めて育てられた花々に感動したり、山や川端に自生する木々を見て何かを感じることもとても楽しいと思います。他には旅行に出かけるのも好きな時間の1つですが、最近ではただのんびり温泉に入るだけではなく、ハイキングなど体を動かすことを目的に選んでいます。


母といとこたちと尾瀬ヶ原ハイキング(2010年7月 加茂さんは左から2番目)

 昨年6月、奥入瀬へのハイキングで約9キロを歩きました。新緑の息吹を感じながら美しい渓流沿いを歩くと、心身ともにリフレッシュしたようで、本当に心地がよかったです。自然の美から学ぶことは多いので、これからもいけばなの参考となるよう、野山を歩きまわりたいと思っています。


青森県奥入瀬(渓流をバックに)

ニリンソウ

「花笑」第22回横浜華道協会新進作家展
出品作品(2012年8月 横浜島屋)

 サラリーマンとして仕事を続けながら、試行錯誤を繰り返しいけばなに打ち込んできました。いつかは指導者として自分でいけばな教室を開いたり、日本の伝統文化であるいけばなを国内だけでなく海外の方へも伝えていくという夢を実現させたいと思っています。そのためにもよりいっそうオリジナリティにあふれた美しいお花をいけられるよう精進し続けたいと思います。

【加茂 清一さんに一問一答】
  • 好きな花/燕子花、水仙、桜
  • 好きな画家/尾形光琳
  • お気に入りの作品/燕子花図屏風、紅白梅図屏風
  • マイブーム/骨董市(ほとんど見学だけですが、見ているだけでも楽しいです)

加茂 清一さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、宮脇 藤薫さん(東京支部)です。とても明るく気さくで、お話ししているうちにこちらまで元気をいただける方で、いけばなにも一生懸命取り組まれていらっしゃるそうです。どうぞご期待ください。


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