みんなのいけばな

File No.42

福田 光珠さん 福田 光珠さん 宮城県/多賀城支部

いけばなには震災に傷ついた人々を「癒す」力がある。より深く学び、多くの人に勇気と元気を与えていきたい。

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

 お母様が多賀城支部長といういけばなを学ぶには恵まれた環境にありながら、本当にじっくり腰をすえていけばなに取り組み始めたのはご結婚後という福田さん。今では娘さんまで三代続くいけばなの教授者として、地域の活動にも積極的に貢献されています。そんな自然体の福田光珠さんに、いけばなへの飾らない思いをお話しいただきました。

初めての研修課程T期で阿部さんの熱心に学ぶ姿に感心しました。

 平成22年7月末、研修課程T期を受講するため、初めて大阪の研修会館に出向きました。事前に情報を得ず、研修は講師の先生からご指導いただいて花型等を学ぶものと勝手に思い込んでいた私には、練習不足で大変過酷な研修となりました。その時、以前から宮城県内の講習会等でお見かけしていた仙台支部の鈴木加奈子さんとご一緒になり、思い切って声をかけさせていただきました。研修を重ねるごとに少しずつ会話も増え、鈴木さんから同じ社中の阿部さんをご紹介いただいたのが出会いのきっかけです。阿部さんはお仕事のご都合で研修後一旦仙台に戻られたのですが、考査の日に再び大阪に舞い戻ってくるという学ぶお姿に深く感心したことを今も覚えています。

 阿部さんは口調は物静かですが、笑顔が素敵で本当に感じが良い方ですし、お花に対して熱心に取り組んでおられる姿は、とてもカッコイイです。最近、久々に再会する機会があり、うれしく思いました。東日本大震災後は、危機管理に従事するお仕事で大変お忙しいでしょうに、当時とまったくお変わりなく、熱心にお花の研鑽を重ねておられる姿は尊敬するばかりです。このご縁に感謝し、今後とも学びの輪を広げていきたいと思っています。


福田社中祝賀会(2010年9月)

10年皆勤賞をいただいた地区別教授者研究会。大震災以降、いけばなの力を実感しました。

 いつでもお花を習える環境で育ったため、いつから始めたか定かではありませんが、高校1年生の時に伯母に誘われて研究会に参加したことが一つの転機になったように思います。当初はただ、毎月1回の習い事と思っていましたが、研究会で95点をいただくと「さすがね〜。先生の娘だから!!」と言われました。逆に85点の時は声もかけられず悲しい思いをしたこともありましたが、同じ社中の皆様に助けていただきながら、なんとか続けてこれました。


伝統文化こども教室(2010年9月)

 今振り返ると、お稽古は月に一度の研究会の時だけ熱心に取り組んでいたように思います。お花をいけることは嫌いではなかったのに、何かにかこつけてはさぼっているという私でしたが、結婚し仕事を退職した後は時間にも余裕ができ、これを境に地区別教授者研究会に参加してみようと思うようになりました。与えられた花材で瓶花と盛花の2作をいけるというのは難しいものでしたが、その日いただけるお弁当を楽しみに(笑)、社中の皆さんとともに参加するようになってから早いもので数十年が過ぎてしまいました。1度欠席したものの、平成24年に、10年皆勤賞をいただくことができました。家元から直々に表彰していただいた時は、あまりの驚きと感激で動揺が隠せませんでした。
 平成23年3月11日の東日本大震災では、揺れの恐ろしさや水の怖さを体験しました。被災された方もたくさんいましたが、避難所で被災者の方々と交流を重ね、研究会を復活させていく中で、花をいけることはこんなにも心が癒されるんだ、ということを実感しました。皆さんの表情もだんだんと和らぎ、笑顔が増えていく様子や熱心にお花に取り組まれる姿を見て、私も自分本位ではなく、人のために何かを伝え、残していける人になりたいと思うようになりました。


留まらないよ〜お稽古風景(2012年11月)

親先生の導きにあらためて感謝。研修課程T期での研鑽でさらに成長できました。

 平成19年に、専門教授者となった翌年の研究会で会場係を務めました。その際、お花屋さんの苦労や会場準備の忙しさ、会員の皆様との接し方などを勉強させていただきました。そして、親先生がレールを引いてくださったから、ここまで来ることができたのだということにあらためて気づきました。
 その経験から、さらに自分に実力と自信をつけるために研修課程T期を受講してみようと思うようになり、お花に対して以前よりも前向きに取り組むようになったのです。
 研修課程T期には全国各地からたくさんの方が参加されていました。最初は考え方が甘く、何も考えずに研修に臨んでしまったので落ち込むことも多々ありましたが、それでも無事に1週間の日程を終えることができたのは、そこで知り合えた方々のお力添えがあったからどうにかこうにか前へ進んでこられたと思い感謝しています。研修中、「もしこの中で誰か講師になったら、必ず私の支部の研究会に講師として来てね!」などという話で盛り上がったことも懐かしい思い出です。


みんなの花展 出品作品(2010年5月)

自然から学び、写景に生かす。いけばなは心に元気と勇気を与えてくれます。

 多賀城支部では平成24年11月11日に青年部の行事として、部長はじめ役員の皆様と散策を交えながら交流を深めようと「郷土多賀城史跡めぐり」が開催されました。当日は、国府多賀城を出発。ボランティアガイドさんの案内で、あやめ園、国府政庁跡、廃寺等を散策しました。普段、何気なく車で移動していますが、散策してみると思いがけない場所に細道があるなど、昔の人のルートを発見したような気がします。すすきも風に吹かれ、諸先生方から「写景をいける時は、あのような風情を出せるように」とのアドバイスも受け、20名の方々と秋の深まりを楽しみました。


青年部主催 多賀城の史跡散策にて(2012年11月11日)

 研修課程T期で反省する点をは多々ありましたが、2年目もがんばりたいと思っていた矢先に大震災が起こりました。研究会の会場も2000人近い方々の避難場所となり、とてもいけばななどできないと思っておりましたが、皆の思いが一丸となり、新しい会場で早くも5月から研究会がスタートできました。3階建ての建物でエレベーターがなく、大変不自由な思いをさせてしまいましたが、多賀城支部全体が「心のケア」という目的を持ち、逆に皆様から元気と勇気を与えていただいたこと、そしてそれが現在に至っていることを誇りに思っています。この思いを多くの人にお伝えし、共感していただけるよう、これからもがんばっていきたいと思います。


みんなの花展 実行委員いけ込み。私は流木洗浄と白石ひきです。(2012年6月)
【福田 光珠さんに一問一答】
  • 好きな花/柘榴の花。花をさかさまにすると、タコウィンナーになります!!
  • 好きなアーティスト/エンヤ
  • マイブーム/習字(習い始めたばかりです)

福田 光珠さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、藤野 美千代さん(旭川支部)です。研修課程T期でご一緒したのがご縁。遠方から参加される行動力をもち、いつも前向きで落ち込んでいる時には勇気づけてくださる明るい女性とのことです。どうぞご期待ください。


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