幼い頃はどんな習い事も続かなかった私が路地に生えている雑草をじっと観察しているのを見た母が「いけばななら続くのでは?」と勧めてくれたのがいけばなとの出会いのきっかけです。母の手に引かれるようにして近くのいけばな教室へ連れていかれました。そこが現在でもお世話になっている親先生(小寺豊龍先生)の教室です。初めて手にした花材がアルストロメリアだったことは今でも覚えています。ピンク色の美しい花に触れたり、聞いたこともない花の名前を教えていただいたり…なんだか自分が特別な人間になったような気がして、ものすごく興奮した記憶があります。
小寺先生は植物を大変愛され、また勉強熱心な方です。私も先生の影響を受けて花好きもますます高じ、今では旅行を兼ねて植物見学に行くこともしばしばです。 |

●日本の名松100選にも指定されている出雲大社の「松の馬場」にて(2011年1月) |

●カンボジアにて、建物をも飲み込む大木(2010年1月) |
いけばなを始めてからの20年間は学生生活や受験、就職、結婚と、人生の分岐点がたくさんありました。お稽古をやめようと思えば機会はたくさんあったのですが、これまで一度もやめようと思ったことはありません。生活環境が変わってなかなかお稽古ができないときでも、小寺先生はできる限りスケジュールを合わせてくださり、いつも温かく見守ってくださいました。お花のお稽古だけでなく、日本の四季や文化・祭事など行事の大切さも教えてくださり、ことあるごとにご一緒させていただきました。氏神様の献花式などの行事も、私には大変良い経験になっています。 |

●小寺豊龍先生と共に神社での献花式(2010年5月)
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振り返ればこれまでの年月を支えていたのは私自身の努力ではありませんでした。いけばなを私に勧めてくれた母、研究会にはいつも送り迎えをしてくれた父、そして継続させてくださった先生。家族の理解や先生のお力添えがあったからこそだとあらためて感じています。私もこれから、先生に教えていただいたことを次の世代に何とか受け渡していきたいと思っています。 |

●凜花スクール花展のいけこみ風景(左から小原校長、生徒さん、高鍬さん)(2010年6月)
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