みんなのいけばな



File No.32

高鍬 恵都子さん 高鍬 恵都子さん  京都府/京都支部


人生の道にはいつも「いけばな」がありました。	
出逢いのご縁と周りのサポートに感謝しながら、これからも歩んでいきます。

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

道端の花に関心を寄せていた幼き高鍬さんにお花のお稽古を勧めたのは、お母様でした。良き師と出逢い、家族のサポートを受けながら、さまざまな人生の分岐点も乗り越え、ひたすらいけばなに打ち込んでこられました。脇目もふらずに「華道」を極めようと日々励む高鍬さんのいけばな人生をうかがいました。


関西人もびっくりの楽しいお人柄。彼女のおかげで研修が楽しくなりました。
 田邉さんと初めてお会いしたのは、研修課程U期の時。隣の席になったのがきっかけです。とても綺麗な方なので最初は話しかけにくかったのですが、おしゃべりしてみたらビックリ! 関西人の私が嫉妬してしまうくらい楽しい方でした。ご主人のことを「小粒でもピリリと辛い…」と表現されたことがとっても面白く、非常に印象に残っています。
 それに、田邉さんはとにかくファッションセンスが素敵なのです。数日間の研修期間中、私はずっと彼女の服装をチェックしていました(笑)。仲良くなってから年齢をお聞きしてまたビックリ! ずっと同年代だと思っていましたので。田邉さんの若さの秘訣はいまだに謎です。

大阪ヨーロッパ映画祭開催記念パーティー装花(2006年11月)
 実は、研修を楽しいなあと思えたのは、このときが初めてでした。田邉さんの親しみやすい人柄と心地よい会話のおかげで、私自身とてもリラックスして研修を受けることができたからだと思います。
 熊本と京都ですから、お会いできるのは今のところ残念ながら研修の場だけに限られていますが、メールではよく連絡を取り合っています。メールのある便利な時代でよかったなとつくづく思います。

舞鶴市政記念館にて装花(2007年10月)


どんな習い事も続かなかった私がいけばなの世界へ20年間、一度もやめようと思ったことはありませんでした。

幼い頃はどんな習い事も続かなかった私が路地に生えている雑草をじっと観察しているのを見た母が「いけばななら続くのでは?」と勧めてくれたのがいけばなとの出会いのきっかけです。母の手に引かれるようにして近くのいけばな教室へ連れていかれました。そこが現在でもお世話になっている親先生(小寺豊龍先生)の教室です。初めて手にした花材がアルストロメリアだったことは今でも覚えています。ピンク色の美しい花に触れたり、聞いたこともない花の名前を教えていただいたり…なんだか自分が特別な人間になったような気がして、ものすごく興奮した記憶があります。
 小寺先生は植物を大変愛され、また勉強熱心な方です。私も先生の影響を受けて花好きもますます高じ、今では旅行を兼ねて植物見学に行くこともしばしばです。

日本の名松100選にも指定されている出雲大社の「松の馬場」にて(2011年1月)

カンボジアにて、建物をも飲み込む大木(2010年1月)
 いけばなを始めてからの20年間は学生生活や受験、就職、結婚と、人生の分岐点がたくさんありました。お稽古をやめようと思えば機会はたくさんあったのですが、これまで一度もやめようと思ったことはありません。生活環境が変わってなかなかお稽古ができないときでも、小寺先生はできる限りスケジュールを合わせてくださり、いつも温かく見守ってくださいました。お花のお稽古だけでなく、日本の四季や文化・祭事など行事の大切さも教えてくださり、ことあるごとにご一緒させていただきました。氏神様の献花式などの行事も、私には大変良い経験になっています。

小寺豊龍先生と共に神社での献花式(2010年5月)
 振り返ればこれまでの年月を支えていたのは私自身の努力ではありませんでした。いけばなを私に勧めてくれた母、研究会にはいつも送り迎えをしてくれた父、そして継続させてくださった先生。家族の理解や先生のお力添えがあったからこそだとあらためて感じています。私もこれから、先生に教えていただいたことを次の世代に何とか受け渡していきたいと思っています。

凜花スクール花展のいけこみ風景(左から小原校長、生徒さん、高鍬さん)(2010年6月)


いけばな教授者になれたのは、
ほんの偶然の出逢いからでした。


 20代の終わりから自宅の一室を使って教室を開きましたが、そのきっかけはまったく偶然の出逢いからでした。
 教室を開きたいけど、どうしたら生徒さんが来てくれるのだろうと悩んでいた時のことです。ある展覧会のお手伝いに行き、作品の回りを掃除していると、1人の女性が作品に関する質問をしてこられました。自分の作品ではなかったのですが、いろいろとおしゃべりしているうちにすっかり意気投合! 初対面の方なのに会場を出てそのまま2人で喫茶店で話し込むまでになりました。そして、何とその方が生徒第一号になってくださるというのです。あまりにトントン拍子の話でびっくりしましたが、この出逢いのおかげで、翌月から私は教授者になることができました。今でもその方はお稽古に来られていて、私のサポートをしてくださっています。本当に不思議なご縁だと思います。

自宅教室で生徒さんのお花を拝見中

教室はシンプル&清潔をこころがけて。
若い生徒さんのセンスも良い刺激になります。


 教室は8畳の小さな空間ですが、生徒さんはわざわざ時間を割いて足を運んでくださるのですから、心地よく稽古に励んでいただけるよう、日頃からいくつか気をつけていることはあります。まず、教室にはいけばなに使用するもの以外は一切置かず、シンプルで清潔な状態を保っています。また、生徒さんをお迎えする時には部屋着ではなく、自分なりにきちんとした装いとメイクを心がけています。
 生徒さんは若い方が多いので、支部の青年部に入っていただき、一緒に楽しみながら活動しています。そこでは私が知らない生徒さんたちのセンスや才能を見ることができます。それがまた私の創作活動の良い刺激となっています。
 お勤めの方や他県にお住まいの方など、いけばな以外では私より生徒さんの方がよくご存知のことも多く、知らない情報などいろいろとお話を聞かせていただけるのは嬉しいことです。私も遠慮なく聞いたり、相談に乗っていただいたりしています。

自宅教室には小さなお子さんも
マイイケや新進作家展、京都で開催されている造形展などにも積極的に参加しているのですが、作品を出品するたびに生徒さんや家族が協力してくれることに感謝の気持ちでいっぱいになります。

いけばな新進作家展の制作風景

出品作品(2008年9月)
 いけばなは「華道」といいますが、私のような者でも人生を振り返ってみると、その道には常に「華=いけばな」がありました。いけばなは私を人間的に向上させてくれる「学び舎」である反面、言い訳をする「逃げ場」でもあります。良い私も悪い私もみんなまとめて受け止めてくれました。仲良しの時もあれば、ケンカすることもありますが…これからも大切なパートナーとして、いけばなと共に歩んでいきたいと思っています。

hana2009にて 題目「敬意」(2009年4月)

【高鍬 恵都子 さんに一問一答】

好きな花/クッカバラ(面も裏も完璧な美しさに胸キュンです)
好きな画家/アンリ・ルソー(自画像を頼むなら絶対にルソーさんにお願いしたいです。コケティッシュに描かれた私の絵を見て将来子どもや孫たちが笑ってくれそう)
おすすめの漫画/『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦 ・『魁!!男塾』宮下あきら
おすすめの本/ 『阿部一族』森鴎外(男に生まれてこなくて良かったと思います) 『蜜柑』芥川龍之介(なんだか好きな作品です)
好きな有名人/ イッセー尾形(彼の一人芝居のファンです)佐々木蔵之介(見た目が好きです)さかなクン(マニアックな知識は尊敬ものです)
マイブーム/究極のバナナジュースと究極の青汁作り(毎日配分を変えて飲みまくっています。

高鍬 恵都子さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、横山 豊鈴さん(大阪支部)です。大阪で開校している「凛花スクール」の指導者リーダーとして技術的にも精神的にもサポート。いけばなだけでなく服装から立ち居振る舞いまでセンスがよく、いつかは横山先生のような教授者になりたいと思う憧れの女性、とのことです。どうぞご期待ください。

 


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