みんなのいけばな



File No.28

光永 祐香里さん 光永 祐香里さん 福岡県/福岡支部


心の奥からの叫び、喜び、幸せ、感謝を表現できるツールそれがいけばなとバレエです。

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

 いけばな教授者として勉強を重ねつつ、大好きなクラシックバレエの世界でも精進され、大活躍されている光永祐香里さん。お母様の影響で幼いころからいけばなに接し、バレエスクールを開校した今では、舞台演出にいけばなを用い、新たな境地を開かれています。幼少期のお話からバレエを通じたカンボジアボランティア活動まで、興味深いお話しをうかがいました。


福士さんのアドバイスに励まされた研修課程T期。
季節の風情を表現されたいけばなに心打たれました。
 福士さんとは研修課程T期の時に出会いました。第一印象は面倒見のいい優しいお姉さん。いつも私が気がつかないところをアドバイスいただいていたように思います。 一番深く印象に残っているのは、研修課程U期の時の福士さんの「籠いけ 瓶花」です。確か、むべ、竜胆、薄の取り合わせでしたが、秋の風情を感じ、心打たれました。その後もマイイケや研修でよくお目にかかりました。福岡のいけばな展にはわざわざ来福してくださり、激励してくださったのもうれしい思い出です。最近は私の方がバレエで忙しく、なかなかお会いできていないのが残念です。

初の海外の花展Japan-Hong Kong Flower Exhibition07に出瓶 (2007年1月19〜21日)


幼いころから自然と慣れ親しんでいたいけばな。
可愛がってくださった先生方とは今もお付き合いが続いています。

  母(光永瑞丈)がいけばなを教えていたこともあり、私にとっていけばなは幼稚園の頃から自然と生活の中に存在していました。その頃は母の研究会によくついて行き、母が花をいけている間は、お手伝いの先生方からとても可愛がっていただきました。
 小学生の時に母から手ほどきを受けていた時のいけばなノートは、大切な宝物です。お遊びのいけばなから少し真剣モードに変化したのは高校生になってから。高校入学と同時に研究会に参加するようになりましたが、95点を取るのが嬉しくて、研究会の前だけ一生懸命に稽古していたように思います。
 幼稚園時代に可愛がっていただいた先生方とは今もお付き合いが続いていて、いろいろなことをご指導いただいています。とても幸せなことだと思います。

香椎宮 献花展出瓶(2011年3月)


宝塚歌劇を夢見ていつしかクラシックバレエの世界へ。舞台ではいけばなとのコラボレーションも始まりました。


 いけばなと並行して活動しているのがバレエです。クラシックバレエを習い始めたのは10歳のとき。宝塚歌劇を観劇した時に感激し、私はこの舞台に立つのだと思いました。それで、試験科目にあるバレエを習い始めたのです。宝塚歌劇は3世家元もお好きであったとお聞きしています。

ジゼル全幕(2007年))
 宝塚に魅力されて始めたクラシックバレエですが、今度はクラシックバレエそのものに魅了され、すっかりのめり込みました。本格的に勉強するため英国に留学した後、1995年には『ユカリクラシックバレエ』を開校しました。現在は3歳から60歳までの方に楽しくレッスンしていただいています。2010年には『ユカリクラシックバレエ』卒業生からかつて憧れたタカラジェンヌも誕生し、私の夢を叶えてくれました。劇団四季に入団し、活躍している卒業生もいます。
現在、年1回の生徒の発表会を行っているほか、2008年にはカンボジアの地雷撤去を支援するチャリティーコンサート『光のハーモニー』を主催しています。

カンボジア 光の孤児院で踊る(2010年2月)
 2010年の第2回公演では『カンボジアに想いをはせて』という題名で創作バレエを発表し、東京や福岡で活躍しているダンサーを中心に公演しました。この2回のカンボジア訪問で現地の様子を目の当たりにし、ダンスやいけばなで何かできることはないかと考え、バレエだけでなく、音楽家やコンテンポラリー振付家と共演するなど、行動にも移しました。振付はコンテンポラリー振付家の松本氏に依頼し、美術は私が担当。1500本のハンガーでキューブ状のパーツを作ったのですが、製作には福岡支部青年部も活躍してくれました。パーツをダンサーが持って踊るシーンもあります。そのパーツが踊りながら壁となり、オブジェとなり、最後には、美しく花が舞い落ちるという演出で幕を閉じる趣向でした。

チャリティー公演 ハンガー1500本で作った舞台美術(2010年6月6日)
 バレエの創作・振付が始まり、そのバレエのイメージから舞台美術が出来上がっていく。素材は何にするか、どれくらいの量が必要か…。これまではボリュームのある作品が多かったので、いろいろな人に声をかけて協力していただきました。特にパーツ作りに関しては福岡支部の活動としても行っていたので、研究会などでもお伝いいただいています。ある程度できた時点でつなぎ合わせたり、組み合わせたりを行い、本番 前日の舞台仕込みの時、作品を搬入します。美術と踊り手の関係を見ながら完成させ、最終的には、照明、音楽、踊り手、美術がひとつとなって本番を迎えるのが、この活動の醍醐味です。

青年部野外展バレエの生徒と制作 (2005年10月23日)

Infinite Gratitude(九州地区青年部野外展作品を再利用 2006年11月19日)

様式美が共通している「いけばな」と「バレエ」。
私にとってはどちらも大切な生活の一部です。


 舞台美術に関しては、最小限の経費で創ってきたので材料を収集するのに苦労しました。皆さんの協力なくしては、できない作品ばかりです。
 作品によっては舞台に乗せると照明の効果でいろいろな顔を見せてくれて、とても迫力あるものに変身します。その相乗効果で踊り手の表現もパワー全開になるのです。 舞台を通じて個人の楽しみだったいけばなから仲間と共に分かち合えるいけばなへと発展してきて、今は心からいけばなをやっていてよかったと思っています。いけばなの世界に導いてくれた母には心から感謝しています。

創作バレエ『雪の女王』(2Lペットボトル2000本を使って 1999年7月20日)
 私にとって、クラシックバレエといけばなは、自分を表現する大切なものです。どちらも様式美が根底にあり、その上でいろいろな思いを心から表現できた時、人の心を打つ作品となるのだと思うのです。
 心の奥からの叫び、喜び、幸せ、感謝…自らを無言で表現できる大切なツールだといえます。それは私にとっては特別なものでなく、生活の一部であり、お互いが結びついてひとつだと思っています。 西洋文化と東洋文化のコラボレーションで、静と動の融合が見える舞台をつくることが私の夢です。いつか野外で造形作品と自然をバックにしたコンサートを開催できればと思っています。

能と創作バレエのコラボレーション(2005年5月5日)

公演時、研修や青年部で知り合った仲間たちがいけてくれた迎花(2005年5月5日)

【光永 祐香里 さんに一問一答】

好きな花/グロリオサ
好きなアーティスト/岡本太郎、ゴッホ
好きな児童文学家/灰谷健次郎
おすすめの本/『太陽の子』『兎の眼』
マイブーム/マラソン(2011年12月ホノルルマラソンに出場予定)、
愛犬LOVEとのお散歩

愛犬LOVEちゃん

 光永祐香里さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、秋元智雄さん。「研修課程T期の時にお隣さんになりました。造園業を営む傍ら、樹木医でもあります。素敵な九州男児です」とのことです。どうぞご期待ください。

 


←File No.27

いけばなじんトップへ

File No.29→



いけばなじん
いけばな教室訪問記
いけばなこども教室
いけばな特派員
いけばな小原流公式サイト




HOME

プライバシーと著作権について