みんなのいけばな



File No.16

池田 紀子さん


来年創立60周年を迎える宮崎支部はチームワークとパワーが抜群。先達から譲り受けた小原流を、できる限り多くの方へ手渡したいです。

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

 前回の坂元由紀美さんから「珍しい花材を宮崎から持参されるなどいつも気配りがあり、勉強熱心で凛とした格好いい先生です」と、ご紹介いただいた池田紀子さん。 いけばなの日々について語っていただきました。

同郷のよしみから親しくなって10年。坂元さんからは幸せを分けていただいています。

 10年ほど前に鹿児島県の鈴木査智子先生の教室に伺うようになったのですが、そこで坂元さんに出会いました。彼女が宮崎県都城市のご出身とお聞きし、一層親しみを覚えました。笑顔もお声も明るくて引き込まれるような魅力を持っておられ、ご主人やご子息のことをとても愛していらっしゃることも垣間見えて、お会いするたびに幸せを分けていただいています。見かけるとどこからでも手を振って笑顔で迎えてくださるんですよ。

 また、責任感も大変強い方です。昨年、鹿児島の桜島で野外展が開催されたのですが、宿泊予定だったホテルでトラブルに遭いました。その顛末を坂元先生にお話ししたところ、後日、支部長先生とお二人でホテルと話し合いをし、収拾してくださいました。困っている人の立場に立って柔軟に行動できる素晴らしい方だと思います。


平成21年、桜島の野外展での作品


カルチャーセンターと伝統文化こども教室。生徒さんにはひたすら誠実に向き合っています。


平成21年12月「親子いけばな体験教室」で講義をする池田さん

伝統文化こども教室
「伝統文化こども教室」に参加している子供の作品
  宮交シティ・カルチャーセンターには昭和59年に職員として勤め始めました。研修課程V期に進んだころ、教室を開くことができました。 ここでは毎週月曜日の午後にお稽古しています。まだまだ生徒さんが少ないので、どうしたら受講者が増えるかが目下の悩みです。

 一方、伝統文化こども教室の作品展では、学校サークル特別講習会で教えていただいたことを参考にしているのですが、子どもたちもお母さん方もはりきって出品してくださいます。

 できるだけ板書し、花型図はもちろん、形式区分や表現区分が目で見てわかるように心がけています。すべては理解できなくても、自分が何を学ぼうとしているかはわかってもらえるようです。とにかく誠実に生徒さんと向き合い、花と向き合う努力を続けたいと思っています。

花嫁修業の一つと始めたいけばな。先生方の教えや仲間との絆が私の宝物です。

  私たちの娘時代は、花嫁修業にお茶やお花のお稽古をするのは当たり前だと思っていました。久富豊清先生の教室に通うことになり、いつもお夕飯をいただいて、遅くまでお稽古したりおしゃべりしたりで、帰りのバスもなくなって毎回タクシーで帰るなど、思えば楽しいことばかりでした。今でも伺うと相変わらずお夕飯をごちそうになるんです。何から何まで、久富先生には感謝しています。

 いけばなで苦労したことはなく、楽しかったこと、助けられたことばかりです。そんな中、うれしかったことのひとつは、1998年に地区別で初めて優秀賞をいただいたことでした。そのことを報告したとき久富先生がとても喜んでくださったことは昨日のことのように覚えています。研修課程T期に受かった時も、久富先生は「大声でみんなに伝えたいくらいうれしい!」と喜んでくださいました。

 研修課程の素晴らしさは、参加された方はどなたも感じられると思いますが、私のような地方の一会員でも、普段はお目にかかれないような先生方に直接丁寧なご指導をいただけることです。「自然をよく見るように」とおっしゃった東海林寿男先生に私は「どう見るのですか?」とお聞きしたことがありました。今思い出しても顔が赤くなります。けれど、先生は「いい質問だね。みんな、よく聞きなさい。自然はね、ただ見ればいいよ」と笑顔で答えてくださったのです。故塩谷昌代先生には、花留の置き方を教わったこと、平出昌雲先生の鋏の刃がピカピカだったこと、今でもそんな風景が頭に浮かんでいます。

 研修では友人・知人もたくさんできました。今でも折にふれ、連絡を取り合える仲間がいるということは私の宝物です。地区別や花展等でお会いできるととてもうれしくついつい話が弾みます。

宮日華道連盟いけばな展で出品した作品

はがき絵と書とのコラボーレーション作品も発表しました

母の背中をいつしか追いかけてくれた娘。支部の一員として活動しつつ、個展も夢に見ています。


平成22年4月、青年部主催の「希少植物の観察会」ではタラの芽やドクダミなどを天ぷらに。池田さんのお気に入りはセイダカアワダチソウだとか

 娘が今、伝統文化こども教室を手伝ってくれています。本人いわく、昔はいけばなが嫌いだったそうです。母親をいけばなにとられたような気がしていたらしいんですね。ですから私もすすめたわけではないのですが、子どもたちと接するうちに、自分も勉強していかなければと考えてくれたみたいです。それほど語り合うわけではありませんが、小原流の様式や瓶花にも惹かれているようです。自分が好きなことを娘も好きになってくれたのは、母親として素直にうれしく思います。

  学校サークル、造形教室、みんなの花展など、多くの行事にたくさんの方々が参加する、吉元支部長を中心とした支部のチームワークとパワーは素晴らしいものです。その宮崎支部も来年は創立60周年を迎え、平成23年10月16日、横東宏和先生ご指導のもと、記念講習会の開催を予定しています。青年部も大作を発表する予定ですので、どうぞご期待ください。
  私にとっていけばなとは「汲めど尽きない」ものです。花をいける事の背後にどれだけの深さや高さがあるか、まだわかりません。まさに壷中の天かと思います。それだけ小原流の先達の方々が営々と受け継いでこられたものを譲りうけているわけですから、私もできうる限り次の方々へと手渡していきたいと思っています。いつか自分の個展が開けたら幸せだなと思います。遠い遠い、憧れのような夢ですけれど...。

宮崎山形屋の玄関花

【池田 紀子さんに一問一答】
好きな花/すべての花。嫌いな花がありません。
好きな小説家/山岡荘八、宮城谷昌光、浅田次郎
おすすめの小説/『徳川家康』『孟嘗君』『蒼穹の昴』
マイブーム/昔読んだ本を読み返しています。

同じ社中の宮崎支部 甲斐 豊恵先生と


池田さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、名古屋・篠田幸子さんです。「研修課程T期に参加した時にお会いしたのがきっかけです。いつもにこやかで、くもりのない笑顔が魅力です。マイ・イケバナではAK賞も受賞されたことのある、素敵な先生です」とのことです。ご期待ください。



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