みんなのいけばな



File No.15

坂元 由紀美さん


いけばなを通じて生まれるさまざまな出会いに感謝

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

 今回は、前回の荒牧真理さんから「いつも気配りのある方です。研修で拝見したお花もとても素敵で感動しました」と、ご紹介いただいた坂元由紀美さん。 体調不良に悩みながらも、息子さんの成長を見守るだけでなく、自分自身が成長したいと小原流に飛び込まれた主婦時代。ビーズ教室から「教える喜び」に目覚め、今では鹿児島支部の準幹部として、ともに高めあえる仲間と手を携えさまざまな場で指導にあたっておられます。尊敬する先生方との出会いとご家族に感謝しながら努力を続けるうち、心も体もすっかり元気を取り戻されていました。 荒牧さんとの出会いから、夢に一歩ずつ近づこうと勉強を欠かさない、いけばなへの熱い思いなどについて語っていただきました。

新幹線の中でお花のことを語り続けた出会い。西貝さんの明るいお人柄、前向きの姿勢を尊敬しています。

 荒牧さんとの出会いは平成19年の研修T期、一番前の席で隣同士になったのがきっかけでした。いけばなに熱中しながら、一緒に緊張したり悩んだり・・・。宿泊先のホテルが同じだったこともあり、夕食にキムチ鍋をいただきながら、その日一日の反省をしたりお話しすることで、疲れも吹き飛んだことを覚えています。
 「優しくておっとりしている」そんな印象の荒牧さんですが、お話しぶりを聞いていて誠実さが伝わってきます。そして何より感心したのが、きれいに整理されたノートの見事さ。私も思わず真似して、ノート作りを始めたくらいでした。 研修U期でもまた一緒に勉強を重ねています。以前と変わらず、一緒に夕食をいただきながら情報交換していますが、今年感動したのが、お稽古の写真をきれいに整理されていたこと!相変わらず感化されて、私も早速写真をまとめました。こうしてみると、ずいぶん荒牧さんから良い影響をいただいていますね。 住まいが離れていますので、研修でお会いする以外は時折メールで連絡をとらせていただいています。

 研修では全国からの熱意ある方々に圧倒され、勉強不足も痛感しましたが、それ以上に感動したのは、本や写真でしか知らなかった先生方に直接指導していただけたことです。特に由水幸平先生の「自分の知識は自分で得なさい」というお言葉は今でも心に残っています。植物学の田中修先生も「同じ季節、同じ月日に、それぞれの土地で花を咲かせてください」とおっしゃいました。私は鹿児島、荒牧さんは前橋とそれぞれの土地で花を咲かせ、お互いに実り多き人生を過ごせたら幸せだと思っています。

いけばなが「元気の源」という坂元由紀美さん。


いけばなのお稽古にまつわる楽しい思い出。年齢・性別・地域も越えた出会いに感謝しています。


始良郡湧水町に行き、竹似草を採取
  出身は宮崎ですが、東京で主人と出会い、息子が2歳の時に鹿児島に来ました。その頃の私は体調不良気味だったのですが、いけばなに出合い、不思議と心も体も癒されていくのがわかりました。

 小原流を習い始めたのは平成7年です。小学2年生の息子の成長する姿を見ながら、子どもと一緒に私も成長できないだろうかと考えたのです。現在小原流佐賀支部長を務める叔母のすすめもあり、鹿児島支部の鈴木査智子先生の教室へ通い始めました。子育て中はあまり熱心な生徒ではありませんでしたが、花を入れたバケツを運んでいるうちに筋力がついてきたのでしょう。いつもは動悸を心配してゆっくり歩く私が、花展会場では走り回れるようになっていました。平成17年、息子の大学進学でポッカリと空いた時間と心を埋めてくれたのも小原流の花でした。

 鈴木査智子先生は、季節が変わるごとに「野外観察会」をしてくださいます。私はこの観察会が大好きなんです。まだまだ未熟な私にはより多くの作品を見たり、自然に感動することが何よりの勉強。先日は、始良郡湧水町に夕菅(ユウスゲ)を見に行き、竹似草を採取して、写景を生けました。鈴木先生のお宅の庭にも杜鵑草(ホトトギス)や睡蓮(スイレン)、
甘野老(アマドコロ)などたくさんの草花が咲いていますが、それをいただいて自宅の庭にも植え、花材にも使うようになりました。尊敬する鈴木先生に少し近づけた気がします。

 まだまだ花歴の浅い私ですが、身をもって「継続は力なり」を感じています。23歳の社会人になった息子も「お母さんが元気だからうれしいよ」と言ってくれます。10年先もいけばなを通じて成長できる自分でありたいですね。もちろん、快く私を応援してくれる主人にもとても感謝しています。

最初は花ばさみも扱えない子どもたちがどんどん上達「伝統文化子ども教室」や大学での指導で自らも勉強の日々です。


「伝統文化こども教室」でのお稽古。男の子も真剣です。

子どもたちからの手紙は大切な宝物です。

10年前から続いているビーズ教室の仲間と。いけばなを教えることもあります。
自宅の教室で生徒さんと。ゆったりとした雰囲気を大切にしています。
  平成18年から伝統文化こども教室の指導に参加しています。現在は幹部・準幹部の3名で月1回、幼稚園から中学生までの17名(男子は1名)を教えています。ここでは、礼儀・あいさつはもちろんのこと、「言葉掛け、丁寧な言葉遣い」を心がけてきました。言葉の力は大きいと私は思います。褒める時は積極的に褒め、子どもたちの長所を伸ばしてあげたいと思っています。最初は走り回っていた子どもたちも少しずつ変化して、お手伝いをする姿を見るのが楽しみです。いけばなには熱心で、研究会に参加したり、昨年は青年部野外展、今年は鹿児島支部創立60周年記念花展にも出品しました。子どもたちからもらった手紙は大切な宝物です。


 平成19年からはボランティアで病院の職員さんにアレンジメントとビーズアクセサリーの教室を始めました。ビーズは10年前から習っており、ビーズ教室の仲間に小原流のいけばなを教えることもありました。思えば、教えることに自信がつき始めたのはこれがきっかけでした。最初に開いたのはビーズ教室からだったのです。

 自宅では昨年から3名の生徒さんにいけばなを教えています。ゆったりとした雰囲気の中でお花をいけていただくことを第一に考えながら、転勤族の奥様が多いため、次にどこでお稽古をしても困らないように基本を大事に指導します。お稽古の後はお茶を飲みながらお話しするのですが、私自身にとってお花以外のことをたくさん教えていただける楽しい時間でもあります。



植え、育てた庭の木々や花の成長を観察しながら、平常心で花と向き合う。いけばなは「精神修行の場」です。

 準幹部としては、鹿児島支部の研究会もお手伝いしています。昨年は青年部野外展の作品制作とともに、新年会や祝賀会のためにフラダンスも練習しました。今年は60周年記念花展もあり、家元とのコラボレーションでアルミワイヤーの造形作品『銀ちゃん』を作りましたが、家族より多くの時間を支部の仲間と過ごしたのではないでしょうか。花器や花の取り合わせの準備など大変でしたが、今でも写真をみるにつけ、その時の事を思い出します。裏方の仕事も多いのですが、皆さん明るく前向きな方ばかりで、学生の部活動みたいに一緒にいることを楽しんでいます。先日は2回目の打ち上げ食事会も行いました。職業や年齢もさまざまですが、気の合う仲間たちをこれからも増やして、鹿児島支部を引っ張っていければと思います。12月の「花の輪・人の輪 - みんなの花展」も今から楽しみです。 これから実現したいのは、自宅の教室を少しずつ大きくして社中展で作品を発表すること。そのためにも花器を作ったり集めたり・・・勉強も頑張ります。

 いけばなは、知る喜び、自然や人との出会い、夢、生きがい、心の安定や体力、そして、なりたい自分に近づけてくれます。それほどいけばなはいろいろなことを私に与えてくれるのです。51歳になり更年期まっただ中にある私ですが、いけばなはまさに「元気の源」なのです。これからもますます元気に、いけばな生活を楽しんでいきたいと願っています。

準幹部のフラダンス部。衣装もお似合いです。

家元作品とコラボレーションしたアルミワイヤー作品『銀ちゃん』。60周年記念花展で。

準幹部のお食事会で人文字の「OHARA」を表現。楽しい仲間たちです。

2006年 鈴木社中展での作品。

【坂元 由紀美さんに一問一答】
好きな花/燕子花(凛とした感じが好きです)
好きな音楽アーティスト/いきものがかり
おすすめの音楽/ありがとう(NHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』主題歌)
マイブーム/小原豊雲先生の本です。昭和40年代に出版された本を集めています。おすすめは『花の心』。昭和48年出版ですが、全く古さを感じさせません。ぜひ、皆様に読んでいただきたい1冊です。

これが私のマイブーム、小原豊雲先生のご本です。

坂元さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、宮崎・池田紀子さんです。「鈴木査智子先生の教室に宮崎からいらしています。同じ社中ではありませんが、いらした時は私の前の席で素敵な写景を見せてくださいます。勉強熱心で珍しい花材を宮崎から持参されたり、研修のこともいろいろと教えてくださいます。いつも凛とした格好いい先生です」とのことです。ご期待ください。



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