みんなのいけばな



File No.14

荒牧 真理さん


いけばなを通じて生まれるさまざまな出会いに感謝

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。

 今回は、前回の西貝英子さんから、「物静かで優しいお人柄ながら向上心のある方で、将来のご活躍が楽しみ」と、ご紹介いただいた荒牧真理さん。
 お花との出会いは高校生の頃、現在ではご自宅で教えながら小学生や大学生へも指導されています。道端の草花やたくましく育つ庭木を観察する中で、日々いけばなの奥深さと向き合い、「いけばなは、精神修行の場」とも語っておられます。
 西貝さんとの出会いから、植物やいけばなへの思いなどについて語っていただきました。

新幹線の中でお花のことを語り続けた出会い。西貝さんの明るいお人柄、前向きの姿勢を尊敬しています。


西貝さんと共に(中央がご本人)
 西貝さんと初めてお会いしたのは、平成19年7月に受けた研修課程T期です。もちろん研修中は忙しく、ゆっくりお話しするチャンスもなかったのですが、研修を終え、帰りの新幹線で偶然ご一緒しました。大阪から東京までの3時間ですっかり親しくなり、話題はもっぱらお花のことばかりでした。
 西貝さんは大変熱心な方で、いけばなをもう一度基礎からお勉強したいという、お花への前向きな姿勢に、私も大いに共感しました。その後も何度か研修でお会いしていますが、そのたびに、明るくて朗らかなお人柄だなあという印象が強くなっています。
 現在は、時折メールをやりとりし、情報交換させていただいています。昨年は東京支部の花展も拝見。何といっても、あの時、研修でご一緒したご縁から今も親しくしていただいていることが、一番うれしいですね。  


いけばなのお稽古にまつわる楽しい思い出。年齢・性別・地域も越えた出会いに感謝しています。

 お花のお稽古を始めたのは高校生の頃です。学校の友人のお母様がいけばなを教えておられると聞き、興味を持ったのがきっかけでした。翌週にはお稽古に通い始め、2年ほど教えていただきました。お教室から見えるお庭に風情があり、きれいだったこと、お稽古後のお茶の時間が楽しみだったことなどを思い出します。お稽古が終わって帰宅すると、生け直したお花を玄関に飾りました。母がとても喜んでくれたことも懐かしい思い出です。
 研修課程を受けてみようと思ったのは4年前です。会報誌『ふうせん』で研修学院のお知らせを見て、先生に相談したのが始まりでした。最初は「参加することでお花が上手になるかな」という気楽な気持ちだったのですが、お稽古するにつれ、いかに大変かを知りました。 研修課程には全国から熱心な方が集まります。また、教授の先生方から直接ご指導いただけることで、本当に充実した時間が過ごせます。今年からU期に参加し、さらに精進する日々です。
 年齢や性別、地域も超え、「お花」という共通点でわかりあえる。そんな出会いをさせてくれるいけばなは、本当に私の宝物です。

柔らかな雰囲気を漂わせる荒牧真理さん


最初は花ばさみも扱えない子どもたちがどんどん上達「伝統文化子ども教室」や大学での指導で自らも勉強の日々です。

自宅の生け花教室では生徒さんのペースでお稽古します(ただいま休憩中)

「ライフアップスクエアー・アイズ」でお稽古中。みんな真剣です


「お花倶楽部」部員さんたち。爽やかな笑顔も魅力


平成18年の『社中展』で発表した造形作品

 平成16年9月から自宅でアレンジの教室を始めました。生徒さんは8名いますが、お1人はいけばなとアレンジを一緒にお稽古していただいています。いけばなとアレンジは教える内容が違うのですが、それぞれの魅力を伝えて、興味を持っていただけたらと思っています。
「伝統文化こども教室」では、平成19年から3年間、助手として指導のお手伝いをしてきました。子どもたちは、最初こそ花ばさみも上手に持てないのですが、徐々に扱いに慣れ、上手になって、最後にはおけいこの準備から片付けまですべて自分でできるようになります。子どもたちの成長はめざましいですね。
 現在、「伝統文化こども教室」の卒業生6名を引き継いで、カルチャースペースの「ライフアップスクエアー・アイズ」にて、お稽古に励んでいます。
 昨年9月からは、群馬県立女子大学の華道部「お花倶楽部」の指導も引き継ぎました。毎週月曜日、10名の部員さんとお稽古をしています。大学内では毎年文化祭などで作品を発表するほか、卒業式、入学式には会場入口に祝い花をいけています。学生たちはとても熱心で、いつも真剣にお花と向き合ってくれますね。
 自宅、こども教室、大学の部活動と、お稽古の場所が変わることで、私自身の指導も多少勝手が違います。自宅でのお稽古はあくまでも生徒さんが自分のペースでお花と向き合えるような雰囲気を心がけています。大学やこども教室はスタートしてからまだ日も浅く、毎回が試行錯誤の連続です。「お花の取り合わせは大丈夫だったかしら」とか「今日はきちんと指導できただろうか」とか、心配したり反省したりの日々ですが、それだけにとても勉強になります。

 今年の『みんなの花展』には、子どもたちも参加させていただきました。一方、私自身は花だけでなく、色や形の美しさに着目し、自分なりの制作を続けてきました。その成果を平成18年の社中展で造形作品合作として発表できた時はうれしかったです。


社中展の作品です

植え、育てた庭の木々や花の成長を観察しながら、平常心で花と向き合う。いけばなは「精神修行の場」です。

 10年前にすべて家族で植えた我が家の庭木も、いけばなに大きな影響を与えてくれます。さすがにプロのようにはできませんが、成長を楽しみながら剪定もしています。最近は庭木に加えて、いけばなで使う花材も庭に植えるようになりました。花々の成長を観察するのも楽しみになっています。お稽古のために花材を調達するだけではなく、毎日庭でじっくり観察するからこそ花本来の植性を知ることもできる。そういう生活は、いけばなをする上でも大変役に立っています。
 花暦そのものが浅く、学ぶべきことはまだまだたくさんあると思っています。少しおおげさかもしれませんが、いけばなは私にとっては「精神修行の場」なのです。いつか花で自分らしく何かを表現できるよう、いけばなを通して社会や人様のお役に立てるようになれたら幸せです。これからも、いけばなを通じてひたすら精進していきたいと思います。

マル専(専門教授者)の長野旅行に参加(右側がご本人)

【荒牧 真理さんに一問一答】
好きな花/たくましい道端の草花
好きな音楽/ボサノヴァ
お薦めのCD/「ジルベルトの伝説」
マイブーム/植物観察です

いつも散歩に行く公園で 野生のリンドウを見つけました。 思わずパチリ

荒牧さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、鹿児島・坂元由紀美さんです。
「研修T期で知り合い、U期で1年ぶりにお会いしましたが、いつも気配りのある方です」とのことです。ご期待ください。



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