みんなのいけばな



File No.13

西貝 英子さん


いけばなは植物の生命力をいただく芸術日本人として生まれた喜びも感じています。

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。
今回は、前回の尾形吉恵さんから、「いつも明るくなごやかな雰囲気にしてくださる方」と、ご紹介いただいた西貝英子さん。
18歳から始めたお花のお稽古ですが、平成18年からは学校連盟での指導活動にも精力的に携わり、中学生たちに花を生ける素晴らしさを教えることで、ご自身も「生きる喜び」を味わっておられます。
尾形さんとの出会いから、華道へ注ぐ愛情などについて語っていただきました。



センスの良さと品格をいけばなで表現される尾形さん。その作品はいつも参考にさせていただいています。


2008年4月、桜の見ごろを迎えた新宿御苑でお教室の皆さんと。

 尾形さんとは去年、お稽古の教室で初めてお会いしました。私は研究会の椿一種を生けていたのですが、どうしてもうまく入らず悩んでいました。そんな時にちょっと隣を見ると、何ともセンスの良い品格ある椿が生けられているではないですか。思わず「素敵ですね!」とお声をかけさせていただいたのが、お知り合いになったきっかけでした。

 いつも知的な雰囲気を醸し出されている尾形さん。思いやりと優しさにもあふれておられ、まさにご自身のいけばなと同じ品格をお持ちの方です。尾形さんの花を見せていただくたびに私の作品もそうありたいと、参考にさせていただいています。

 尾形さんとは同じ社中ですが、支部が違うために残念ながらお会いできるのはお稽古の日だけです。それだけに、お教室でお目にかかれるときは、尾形さんのお花を拝見できるのがいつもとても楽しみなんです。


さまざまなお稽古事にチャレンジした若き日いけばなだから長く続けられました。

 小原流に入門させていただいたのは昭和63年ですが、お花のお稽古を始めたのはたしか18歳だったと思います。若い頃はお習字、洋裁、和裁、お茶、着付け、英会話と、お稽古事はひととおりやりました。いけばなもその1つだったのですが、長く楽しく続けられるものはないかと挑戦し続け、現在まで続けてこれたのがいけばなだったのです。

 入門当初から東京支部の研究会には一度も休まず精進してきました。大変なことといえば、一級になってからはなかなか95点が取れないことです。とにかく一生懸命練習します。ですから、95点の札が立った時には、飛び上がるほどうれしいですね。毎月工藤先生の素晴らしい講評をいただけることも励みになります。

 東京支部の花展に出品させていただくのは今年で4回目です。今回はこれまでの集大成として、初めて写景の大作に挑みます。


西貝英子さん。ご自身の作品とともに。


偶然のお誘いから学校連盟での活動がスタート生徒さんの笑顔が教える喜びになりました。


 学校連盟に関わるようになったのは平成18年からです。同じ社中・教室の先生が中学で指導されることになり、その助手にとお誘いいただいたのがきっかけでした。最初に携わったのは、板橋区立中台中学校です。平成21年まで3年間、年1度の正課授業では2年生3クラスに教えるほかに、部活動のお手伝いで第2・第4金曜日の月2回、同中学に通いました。

 学校連盟への登録でいただいた花器が届いたときに、全員で桃と菜の花といった春の花を使ったいけばなに挑戦したことを思い出します。
 中台中学校ではいけばな競技会に毎年5,6名が参加しています。およそ半数の生徒さんが佳作をいただき、皆さんが飛び上がって喜んでくれます。残念ながら賞にもれた生徒さんも1年間一生懸命練習して翌年には佳作をいただくなど、目に見えて成果も上がりました。

「いけばな」から人の輪が広がります。いけばな競技会への参加がますます励みに。

 同じ時期に3年間、研修課程も受講し、直立型(瓶花)だけに励みました。朝から晩まで1日中お花を生けていられる幸せを心から感じたものです。

 その後、中台中学校で顧問だった長尾先生が赤塚第2中学校に異動され、華道部を立ち上げたということで、再び声をかけてくださいました。今度は毎週1回、生徒さんと接する日々です。赤松第2中でもいけばな競技会への参加を予定していますので、指導にも力が入りますね。


2008年4月、新宿御苑の見事なしだれ桜

花たちが放つ生命のエネルギーには明るい「生き方の」のヒントがたくさんあります。


大都会にありながら四季折々の自然が美しい新宿御苑。
 学校連盟で次代を担う子どもたちにいけばなを教える仕事を通じて、日本の季節や植物の持つ生命のエネルギーをひしひしと感じます。子どもたちには、日本人としての誇りや自信、四季の美しさや人間の機微に恵まれた日本に生まれたことへの喜びや感謝の気持ちを持ってもらえたらと思います。

私自身、花に触れることで季節を感じ、植物からエネルギーや刺激をもらってきました。さまざまな角度から花を美しく元気に見せるのがいけばなですが、その花の姿は私たち人間の「明るく上を向いて生きる」という凛とした生き方とどこか通じています。人として美しく生きるためのヒントがたくさん散りばめられている。それが、華道の奥深い魅力だと思いますね。


【西貝 英子さんに一問一答】
好きな花/桔梗
好きな小説家/辻 仁成
お薦めの本/「ミラクル」(新潮社)
大人になって失くしたものを見つめ直すきっかけをくれる、かつての子どもたちのための愛しく切ない物語です。温かな文章と絵で構成されており、やさしい気持ちになります。
マイブーム/私の可愛いアイドル、孫と遊ぶこと!


「可愛いアイドル」、お孫さんと(笑顔もそっくりですね)

西貝さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、前橋・荒牧真理さんです。「物静かで優しいお人柄ながら向上心のある方で、将来のご活躍が楽しみ」とのことです。ご期待ください。



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