みんなのいけばな



File No.10

大山 米子さん


いけばなは生活の中で、豊かな感性と落ち着きを与えてくれるもの。

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。
今回は、前回の津嶋きぬ子さんから、「ユニセフなど、社会奉仕の分野で幅広く活躍されている方」と、ご紹介いただいた大山米子さん。
弱視の方たちのための拡大写本づくり、ユニセフでの資金協力、
そして、国際交流ひろばでの留学生たちへのいけばなや茶道の指導など。
津嶋さんとの出会いから、幅広いボランティア活動といけばなに取り組む日々の様子を伺いました。


津嶋さんは気さくな方で、いつも自然体でお付き合いをしています。

 津嶋さんとの出会いは、平成12年4月です。大阪での幹部研修会で同じグループになり、自己紹介の後いけばな活動の話の流れから、私のボランティア活動へと話題が広がったのを覚えています。

研修終了後、お互いに大阪城へ行ったことがないということで一緒に見学し、夕食を共にしたことが楽しい思い出として残っています。今でも時々、当時のことが会話のなかにでてきます。
津嶋さんは気さくな方で、自然体でお話しができました。それは今も変わりません。

普段は、電話でのお付き合いが多いのですが、東京での花展のときに偶然お会いしたことがあり、久々に友情を確かめ合いました。



拡大写本づくりのボランティアでは、弱視の方が読みやすい手作りで制作。





上写真
拡大写本ボランティア「くるみの会」のスタッフとの打ち合わせ。
下写真
拡大写本ボランティア「くるみの会」20周年記念誌。当会には、平成13年厚生労働大臣から表彰状が贈られた。

 今、私は3つのボランティア活動に取り組んでいます。ひとつは、拡大写本ボランティア「くるみの会」です。平成3年にひたちなか市の社会福祉協議会の広報紙に掲載されていた、ボランティア紹介の記事を見て参加しました。
拡大写本とは、弱視の方たちにとって“読みやすく使いやすい本”のことです。

拡大写本づくりは、3種類の文字の大きさ、行間の広さを変えたサンプルを作って、弱視の方に確認してもらいながら、それぞれに合った形で決めます。また必要に応じて図や写真なども拡大して貼付します。一度、機械でまとめて作ったときもありますが、弱視の方から手作りのほうが目の疲れが少なくて読みやすいという感想を聞き、今は手作りで作っています。

弱視の方たちからは、「学校を卒業したらボランティア活動をしたい」という声もあり、実際に大学に進んで活動されている方もいます。また、保護者の方からは、「多くの不安があったが、希望が持てた」と、喜ばしい声もいただいています。

ユニセフでは資金協力、国際交流では、いけばなや茶道の指導で活動中です。



 他の2つのボランティア活動は、ユニセフと国際交流です。ユニセフは、20年ほど前「世界の子供たち」というテーマの講演会に参加したのがきっかけで、今は難民の子どもたちを救うための資金協力が主です。国際交流は月1回の活動でしたが、3年前から毎週木曜日の午前10時30分から午後4時まで活動時間とし、スタッフが交代で自分の得意な分野で進めていきます。

この場では、外国人ばかりでなく日本人にも生活習慣などについての相談相手になり、楽しい情報交換が育まれています。参加者は、いけばなの“折り止め(折った枝を花器のなかで添え木のように使う手法)”による茎の安定感に驚かれたり、お茶の泡立ちや一枚の紙で作り上げる折り紙の不思議さに感動されたりと、和やかなひとときを過ごされています。


上写真
国際交流ひろばでの関係者を交えた食事会。
下写真
国際交流ひろばで、日本在住のコロンビアの親子に茶道を指導。


「花がすきだった」から始めたいけばな。今、家族の協力に感謝しています。





 私がいけばなを始めたのは、とにかく「花が好きだった」のひと言に尽きます。いけばなを始めてから今日までで、芸術祭花展で他の社中の会員さんと大作を制作し、完成したときの達成感や満足感は印象深い思い出です。素晴らしい先生に恵まれ、中央での大きな花展で先生の手伝いとして何回か参加できたことも貴重な体験です。また、立派な講師の方々とも身近にお話しできたことは私の財産です。

最近の支部の花展や社中展では合作が多く、花材の取り合わせや調整にひと苦労していますが、みなさんと楽しく作品づくりに取り組んでいます。
花が大好きで、こうしていけばなに携わってこられたのも、家事全般をよく手伝ってくれた家族の協力があってのことと思います。それに長い間、生涯学習関係に関わってこられたのも家族の深い理解のおかげと、今は家族に感謝の気持ちでいっぱいです。



上写真
茨城市芸術祭の準備風景。合作の作品づくりにも和やかに(左から2人目がご本人)。
下写真
茨城市芸術祭出品作品のいけこみを終えて。

新しく開館する「国際交流ひろば」で、多くの人に日本文化を体験してもらいたい。



 現在、「国際交流ひろば」は間借りして活動している状況です。昨年10月、ひたちなか国際交流協会が設立され、建物が建設されており、ここが今後の活動の場となります。新たな環境で、多くの人に利用していただけるよう積極的なPR活動中です。

気楽な会話の中で、日本の文化を知ってもらい体験してもらえればと考えています。資金面や、活動日が平日のため留学生、就業者、その家族の参加などに問題点は残されていますが、着実に環境は整いつつあります。

私にとってのいけばなは、生活の中で豊かな感性と落ち着きを与えてくれるものです。これからも心の友として楽しみたいと思っています。

上写真
マレーシアとインドネシアからの留学生に茶道を指導(国際交流ひろば)。



【大山 米子さんに一問一答】
好きな花/フリージア、椿
好きな作家/五木寛之
好きな音楽アーティスト/コブクロ
好きな画家/東山魁夷
お薦めの本/親鸞
マイブーム/一筆箋の収集


大山さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、茨城・小坂静子さんです。「いつも笑顔で声をかけてくれて、とても気配りのできる方」とのことです。ご期待ください。



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