みんなのいけばな



File No.2

松浦 良泉(りょうせん)さん

いけばなのドキドキ感がたまらなくて、25年経っても変わらずに続けています。

人と人のつながりで紹介していくリレー形式の「いけばなじん」。
出会い、そしてお付き合い。それぞれの方がそれぞれの想いで育まれる
“つながりのかたち”。
今回は、前回の廣田聡さんから、「花屋の仕事をしながらいけばなも頑張っている元気な男性」と、ご紹介いただいた松浦良泉さん32歳。
小学校3年からいけばなを習い始め、家業の花屋さんの仕事に携わりながら、さまざまな分野でいけばなのドキドキ感に喜びを見出しています。
廣田さんと交流を深められる様子から、ご自身のいけばなとの関わりなどを伺いました。

廣田先生との出会いから今日まで、お話いただいたすべてが私の財産です。





「マイイケバナ2009」は昨年に引き続き、2度目の出品。メインの素材はユーカリの葉を乾燥させたものを使用。1枚1枚すべて表情が違うことを利用し、形の違う葉を貼る場所を変えることにより感情を持たせたとのこと。
 廣田先生と初めてお会いしたのは、昨年の8月に「高田花ロード」の製作ボランティアとして、お仕事させていただいたときです。2008年に講師になられ、会報誌などの誌上で活躍されていたのを知っていましたから、とても緊張したことを覚えています。廣田先生から声をかけていただき、笑顔が素敵な気さくな先生だなというのが最初の印象で、今も変わっていません。

その後、香川県での講習会で一緒にお仕事をさせていただいたときは、多くのことを教えていただき、昨年11月に私が所属する小原流笠岡支部に講師として来られたときには、家業の「松浦花店」としての立場から花材などについてお話をさせていただきました。また、「マイイケバナ2009」に出品したときにもいけばなや造形についていろんなお話をさせていただき、そのすべてが私の貴重な財産になっています。

花屋は日々多彩な花に触れるので、いけばなの取り合わせに役立っています。

 家業の「松浦花店」での私の1日は、朝のお花の手入れと水換えから始まります。午前中は、前日に組んだお稽古用の花をいけばなの先生宅へ配達します。その後は主に店での接客や、花束・アレンジなどの製作に携わります。

花屋としての喜びは、花束・アレンジなど、独自で作ったものをお客様にお渡しする時に、満足していただけることが一番です。また、取り合わせのご提案で「それいいね!」と言っていただいたときもうれしいですね。それに、花市場に出回り始めたばかりの新品種の花を、いち早く見られるのも楽しいですね。

逆に大変な面もあります。お花は生きていますから夏場は特に神経を使います。少しでも長く持たせるための温度管理など、毎日手入れが欠かせません。冬場は、暖房を入れると開花してしまうので、寒い環境の中で仕事をしなければならないのが辛いところですね。

また、花展などに納品する機会も多くありますが、代えのきかない花材の調達には苦労しますね。季節ものは特に入荷する時期も短いので、必然的にお稽古できる時期も短くなってしまいますから大変です。

花屋の仕事をしていると、普段から多くの花を見たり触ったりしているので、色彩美や形象美が重要視される花意匠の取り合わせにおいてかなり役立っていると思います。花の表情や矯(た)めといった、いけばな初心者には分かりづらいことも、比較的すぐ理解することができました。

小学校3年から始めたいけばなは、子供ながらにやりがいがありました。





上写真
昭和61年、小学校3年生で初めて研究会に
参加したときの作品。
採点は100点満点中の95点!
下写真
保育園でお花を使った授業の様子。
 私がいけばなを始めたのは、小学校3年のときでした。花屋のお客様で、当時の笠岡支部長に、「お花をやってみない?」と誘われたのがきっかけです。小学校3年の子供でしたから、いけばなについて特に深く考えることはなく、スムーズに入っていけたと思います。そして、すぐに研究会(※1)に参加するようになり、これが楽しくてしょうがなかったですね。日頃勉強したことが即、明確な点数として現れたので、子供ながらにすごくやりがいを感じました。

いけばなを始めてから苦労したと感じたことはありませんが、強いてあげると学校が終わった後のお稽古の時間は「友達と遊びたいなぁ」と思ったことくらいでしょうか。それよりも楽しかったことやうれしかったことのほうが数多くあります。いけばなを学んでいて一番の喜びは、ドキドキする瞬間が多いことですね。研究会の採点が終わり試験会場に入るときのドキドキは、他で味わうことのできない緊張感です。緊張感を味わうことは、普段の生活の中では多くないですから、とても大切な充実した時間です。さらに結果もよければ言うことなしですよね。

(※1)研究会:小原流の全国158支部で開催されているいけばなの勉強の場。いけばなの採点や表彰だけでなく、参加者同士の豊かな交流が育まれています。

私にとってのいけばなは、平凡な日常に刺激を与えてくれるものです。

 2008年に小原流研修課程を終え、現在は研修士という立場になり、舞台の上で助手として活動させていただく機会も出てきました。まだまだ分からないことだらけですが、少しずつ学び吸収して、立派な「いけばなじん」になりたいと思います。

これからは、いろんなものを見てみたい、触れてみたい、そして経験したいですね。それは完成された作品というだけでなく、その作品ができあがるまでの過程であったり、携わる人の苦労であったりするところです。多くの経験を積んで、小原流いけばなにもっともっとかかわっていければと思います。今年32歳になりますが、一番費やした時間が長いのは間違いなくいけばなですね。そして今でも一番ドキドキしています。平凡な日常を刺激あるものに変えてくれる。これが私にとってのいけばなです。




上写真
地元ケーブルテレビの「お花クイズ」は、花の名前を視聴者に答えてもらうクイズコーナーで月1〜2回、5年ほど前から出演。

【松浦良泉さんに一問一答】
好きな花/オンシジウム
好きなミュージシャン/マイルス・デイビス(ジャズミュージシャン・トランペッター)
お薦めのアルバム/「In a Silent Way」(1969)マイルス・デイビス
マイブーム/ジョギング


松浦さんからご紹介いただいた次回の「いけばなじん」は、東京都・矢島明子さんです。「いつも笑顔で周りに元気を与えてくれる方」とのことです。ご期待ください。



←File No.1 いけばなじんトップへ File No.3→


いけばなじん
いけばな教室訪問記
いけばなこども教室
いけばな特派員
いけばな小原流公式サイト




HOME

プライバシーと著作権について